フランス在住のただの主婦ブロガーの1人ですが、
今のフランスの、世界の状況の中で、
それはしないでおいてください、と思うことがあるので、
2020年3月27日のこの記事を、
しばらく貼り付けさせていただきます。
→コロナ記事合戦について
旦那がリンゴの大袋をうっかり2週続けて買ってきて、
食べきらなくちゃいけないってことで、
久しぶりにリンゴとラムレーズンのタルトを焼きました。
レーズンはラム酒に漬けて冷蔵庫の奥に入れて
2、3か月すっかり忘れていたシロモノ。
でもラムがしっかりしみてふっくら。
レーズンもラム酒も今回が使うチャンス!
で、冷凍しておいた市販のパイ生地で、
中にアーモンドクリームをたっぷり入れて
焼き上げました。
これは、旦那の亡くなった前の奥さんのお姉さんの、
ご主人デデさんが2014年に入院した時に
病室に持っていったのと同じもの。その時はラム抜きですが。
食欲がなくてほとんど何も食べていなかったのだけど、
このタルトは美味しいと1切れ全部食べてくれて。
お姉さんも、今日は食べてくれたと喜んでくれました。
それが結局最後に会った時になったのですが。
デデさんは温厚で本当に優しい人でした。
そしてお姉さんは一見気が強い人。
旦那と前の奥さまのこの家に、
2011年に私が住み始めた時は、
お姉さんは私を受け入れられなかったようで、
私に厳しい態度をとりました。
家に食事のご招待をした時も、
私とは話してくれませんでした。
でも、デデさんは帰る時に私にニコッと笑って、
美味しかったよ、と言って握手をしてくれました。
それから何度かお姉さん夫婦と会う中で、
お姉さんは少しずつ、
私を受け入れてくれるようになりました。
そして、病室にタルトを持っていってから数週間後、
デデさんは突然旅立ちました。
お葬式は教会ではなく町のホール。
まだまだキリスト教徒が多い小さな町で、
デデさんはキリスト教が嫌いで無宗教でした。
それを知ったのはこのお葬式の時。
あんなに優しくて穏やかな人柄の奥には、
自分の考えを貫く強いものがあったんだと、
デデさんの優しさは強さに裏打ちされたものだったんだ、
と思いました。
式の間、デデさんの好きな曲で私も好きな、
フランスを代表するシンガーソングライター
「Jean Ferrat(ジャン・フェラ)」の
「La montagne(ラ・モンターニュ=山)」が流れました。
デデさんらしいな、と思いました。
お姉さんとは今もときどき電話で話したり、
近くに行った時は寄って少しお話をします。
今は最初に会った頃とはまったく違います。
でも、最初の厳しさは、妹さんを思う気持ちからで、
デデさんとお姉さんの優しさは同じものと気づきました。
大好きな人です。
それにしても死というものは。
心根の優しい人でも誰でも関係なく、
ある日、連れて行きます。
人生中に悪いことをすると必ず本人に返ってくる、
空の神様は必ず行いを見ている、
と自分は思っているのですが。
最後の死はそんなことは関係なく、無情だと感じます。
そしてコロナの無情さは尋常じゃない。
ほとんど突然に、そして家族にも会えずにですから。
本当に怖いです。
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