2008年にパリにやって来た当時、親しくしていた日本人の友人女性がおりました。
彼女は上品な和風美人。
自分にとって必要なことは徹底して情報を集め、自分なりに分析したりして、感覚で生きている私のような人間とは真逆なタイプ。
自分でも自覚していた私の足らないものを彼女は持っていて、尊敬する部分もとても大きかったのです。
彼女は当時すでにボーイフレンド的なフランス人男性の友人が2人いて、そのフランス人たちからしょっちゅう携帯に電話がかかってきておりました。
フランス人男性の友人なんてまだまだ考えられなかった(無理だった)私は、すごいなぁ、といつも思っておりました。
彼女は、ゆくゆくはフランス人パートナーを見つけたいと言っていて。
面食いだったので容姿は大事ポイントのようだったのですが、そうじゃなければある程度の肩書があるか、ある程度のリッチな人が理想のようでした。
正直、その点だけはちょっと気になっておりました。
でも、私は離婚経験をしていて現実を見たし、彼女は譲れないプライドみたいなものがあるように感じていたので、それぞれ考えが違うのは当たり前とも思いました。
私は一時期ニースに移りましたが、ニースにも1度遊びに来てくれたし、パリに戻ってからもときどき彼女と会っておりました。
でもだんだんと疎遠になっていきました。
一番の大きなきっかけは、私にパートナーが出来て(今の旦那)パリ郊外に引っ越したことだったように思います。
そしてその時、彼女がまだ理想のパートナーに出会っていなかったことも、私的に何か気を遣ったような感じが少しありました。
で、久しぶりに会ったのはそれから2年くらい経ってからでした。
近況をまったく知らなかったのですが、私は密かに、たとえ容姿が好みじゃなくても立派な肩書がなくてもお金持ちじゃなくても、彼女に合うパートナーが見つかっていたらいいな、との思いがありました。
私自身が、自分のタイプとは違うし、お金持ちでもまったくないけど、今の旦那と出会って、節約生活だけど落ち着いた暮らしをしていたからです。
数年間のパリ暮らしの中では、日本人の仕事探しや滞在許可証での苦労はわかっていたので。
理想は理想として、少し現実的になっているかな、と偉そうであれなのですが、思っていたんですよね。
でも結局、まだパートナーは見つかっていないようでした。
けれど出会いがあって現在進行形であることを話してくれました。
その人は仕事でときどきパリに出張で来る大手企業に勤める日本人で、かなり年下とのこと。
話を聞くうちに私は、まだそういうことを言っているのか、と、本気で彼女が心配になりました。
そしてついキツく言ってしまいました。
大丈夫?大手企業だとか年下だとか、そういうことに気がいってない?私にはまだ恋に恋してるようにちょっと感じるよ。
と。
すると彼女は怒ったように、そうね、私はまだ恋に恋してるのかもね。
と言いました。
その後1度会った時も、状況は変わっていないようでした。
そしてコロナ禍の時のことも現在のことも、もう何も知りません。
でも今思うのです。
どんなに心配しても、他人が言うのは余計なことでした。
それに彼女は頭の良い人なので、私なんかが言わなくても、心の中では十分わかっていたような気がします。
わかっていても、実際の行動となると難しいもの。
最後に会った時、いつか日本に帰ってフランス語を使った仕事をするのもありだな、と思っている。
と、話していたのが忘れられません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
応援クリックしていただけると励みになります。

にほんブログ