今日のパリの気温は朝は8度、日中の最高気温は11度で、お天気は晴れとなっております。
つい最近、昔の2つの思い出がふと重なって、パスタの茹で加減、アルデンテについて気が付いたことがあります。
まず1つめの思い出は渡仏する少し前だったと思うので、遡ること16年くらい前のことだと思います。
大手食品メーカーが日本橋にイタリアンレストランをオープンして、友人と2人で食事に行ったことがあります。
おしゃれでモダンな広い店内はガラス張りのオープンキッチンがあり、料理人さんが料理を作っている姿を見ながら、食事が出来るスタイル。
私たちはたまたまそのオープンキッチンがよく見えるテーブル席に案内されました。
で、たくさんあるメニューの中から、確かトマト味のパスタと他に2、3品頼んだように記憶しております。
そしてキッチンの様子を眺めながら、ワインを飲み、話をし、楽しみに料理を待っておりました。
すると。
キッチンの中の料理人さんの1人が、茹でてお湯を切ったパスタをフライパンに入れて具材と一緒に炒め合わせ始めました。
友人と私はそれを何気なく見ていたのですが、途中で2人して、ん?となりました。
なぜなら、その料理人さんがフライパンをゆする手を止める気配がないからで、友人と私は思わず見入ってしまい、2人で彼の手を見つめたまま話しました。
ねぇねぇ、いつまで炒めるんだろうね。
どう考えても炒め過ぎだよね。
いやいやあり得ないくらい炒めちゃってるよ…。
あれじゃあ、アルデンテじゃまったくなくなるよね。
あれ食べたくないよね…。
そんな会話をしていると、やっと料理人さんが、炒めていたパスタをお皿に盛り付け、サービスの人がそのお皿を受け取りました。
そのお皿がどこに運ばれるのかと思い、2人で注視していたら、サービスの人が、と言うか、そのお皿が恐ろしいことにこちらに近づいてきました。
まさか!
と思ったのですが、その。
まさか!
でした。
そのパスタが私たちのテーブルに置かれた時は、思わず無言になった私たちです…。
そして2人して仕方なく食べてみたら、予想通りアルデンテなんてもんじゃまったくなく、ただの茹で過ぎ炒め過ぎパスタで、申し訳ないけど、プロのお店で出すパスタではありませんでした。
で、友人と私は帰りの電車の中で。
大手企業がかなりお金をかけて大規模な宣伝もしてオープンしたレストランで、あの味はどうなんだろうね。
今の時代、家で作る時もあそこまで炒めないよね。
などと、文句と言うより、どうしてああなるのかが不思議で、かなりいろいろ話し合ったのを覚えております。
そして2つめの思い出はその2年後、ニースで出会った本場イタリア人たちの、何気ないのになぜか美味しいパスタの作り方へと続きます。
次回につづく(長くなってしまったので)最後まで読んでいただきありがとうございます。
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