今日のパリの気温は朝は10度、最高気温予想は17度で、お天気は曇りときどき晴れとなっております。
少し前に我が家のネット回線工事があって、プロバイダから請け負っている会社から、工事の人がやって来ました。
とても感じの良いアフリカ系フランス男性で、旦那も手伝いながら2時間くらいかかって無事工事が終わったのですが。
その時に旦那が10ユーロのチップを渡したら、彼がとても喜んでいたそうです。
と言うのも、今はチップをくれる人がとても少ないんだそう。
しかも、毎日決まった件数の工事がノルマになっていて、それがどんなに夜遅くなっても残業代は出ないそう。
パトロン(社長)がそういう考え方なのだそうで、日本でだったらわかるけど、フランスでもこういうブラック企業があるんだな、とちょっとびっくりしました。
フランスは週35時間労働が決められていて(日本は42時間)、フランスの長い夏のバカンスは良く知られていますが、そのバカンスも含めた5週間の有給休暇も普通だったらしっかり取得出来ます。
ただし例外もあって、たとえば旦那は週39時間労働。
それも可能で、小さな会社で人数が少ないので、1人1人の労働時間が増える分、お金で多くもらいます。
これは法律で決まっていて、残業も含めサービスで働くことは一切ありません。
なので働き方と仕事に対する考え方が、日本とフランスではまったく違うな、とフランスに来てつくづく感じていたし、フランスではブラック企業があまりないと思っていたけど。
お金にがめつかったり執着していたりするパトロンだった場合、やはりあるんですねぇ。
で、もちろん違法なのですが、我が家に工事に来てくれた彼も含め、働いている人たちは失業したくないので、しかたなく従っているそうです。
でももし、働いている人たちが団結して訴えてパトロンの違法がバレれば、パトロンは結構な額の罰金を払わなくてはならないし、違法行為は続けられません。
フランスは労働者の国なので、団結すれば強いはずです。
でも場合によっては会社を閉めることになるかもなので、失業したくない人たちにはそれが恐いのでしょうかねぇ。
で、技術を持っているのだから、いつかブラックじゃない企業に移れればいいね、とぜんぜん関係ない私たちだけど、旦那と話しました。
それから、今回のことではフランスのチップについても思うことがありました。
日本に住んでいてヨーロッパに旅で来ていた時、正直、日本にはないチップ制のことがわからなくて、面倒臭いし、なければいいのにな、と思っておりました。
でもフランスに来て、チップの感覚が少しずつわかってきて、自分なりに無理なく自然に対応出来るようになりました。
基本は、必ずあげなくちゃいけないものではないということ。
しかも今はカードで支払う人が多いので、チップをあげる人がかなり減っているようです。
なので今、在住日本人の中には、チップは「service compris」としてすでに料金の中に含まれているから、自分に特別なサービスしてくれた場合以外は基本的には払う必要はない。
と言っている人が結構います。
でも、なんかそれは正直、ちょっと残念な気がします。
誰かに特別な対応じゃなく、誰にでも気持ちのよい対応というのが、サービスのプロとして、人として1番素敵じゃないかな、と、私はですが思います。
なので、自分にはもちろん、お客様皆に同じように気持ちよい対応をしている人は、この人いいな、この人にあなたの仕事ぶりは素敵です、って伝えたい、お礼を言いたい。
(自分に特別のサービスしてくれた場合ももちろん嬉しいですが)そう思って、ささやかな額ですがフランス流のチップという形でお伝えしております。
節約家の旦那もそれは同じ。そこんとこは節約してないな、と思います。
ただし、つい数日前、私が3ユーロのフェイスパックマスクを買うと言ったら、ちょっとぶつぶつ言っていて、それはすっげぇ~むかつきました。
アジア女性は何もしなくても激しくは老けないし太らないと思ってるのかよ!と。
こちとらお金をかけず毎日毎日小さな努力積み重ねてんだよ!と。
あ、思わず鼻はふがってしまったので、話を戻しまして。
それから「service compris」に含まれているから、と言っても、お店の売り上げとしてまとめられてしまうと、例のブラック企業のパトロンのように、金にがめつい人間の場合、パトロンが社員に還元しないことも十分考えられます。
そういう人間は国に関係なくた~くさんいることを、日本とフランスに住んでつくづく感じております。
でも結局、そういう場合、回り回って何かの形で自分に戻ってくるように思うんですよね。
なのでお金持ちでもそうじゃなくても、どこかでちゃんと潔さがあって程よいマナーが大事かな、と、思っております。
で、とにかく素敵なサービスをしてくれた方には、フランスらしいほんの気持ち的なチップを、自分なりに楽しんで心掛けるようにしている今です。
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