今日のパリの最低気温予想は8度、最高気温予想は16度で、お天気はほぼ曇りの予報となっております。
何日か前、旦那とTVのルポルタージュを観ていたら、私は初めて見る人だったのですが、往年のスターで現在は南仏在住だという80歳前半くらいの女優さんがゲストで出てきました。
その登場に合わせ、昔彼女が活躍していた頃の画像も紹介されたのですが、顔がまったく変わっていてびっくり。
旦那も、あらららら…と言いながら大苦笑いでした。
若い時は切れ長気味の瞳とツンとした鼻、薄めの唇で小悪魔系の美女だったのですが、今は顔中が不自然にふくらんで、そのせいか鼻も大きくなって唇も激しくぶ厚くなっていて、笑っても顔の筋肉が動かない。
まるで顔がパンパンの蝋人形みたいになっていたんです。
ボトックスのやり過ぎなんですねぇ。
ボトックスやってよくなるならやる意味も理解出来なくはないけど、よくなるどころか、ここまでやっちゃうとその逆なことを本人はわからないのだろうか。
これに満足しているのだろうか。
ってかとにかく別人になってしまってる…。
としばし唖然としてしまいました。
その時ふと思い出したのです。
今年の6月18日に92歳で亡くなったフランスの大女優アヌーク・エーメのことを。
亡くなった日の夜、TVではクロード・ルルーシュが監督した彼女の代表作(代表作はたくさんありますが)の1966年の映画「男と女」が放送されました。そしてそのすぐ後に今度は2012年、彼女が80歳の時に受けたインタビュー番組が再放送されたのですが「男と女」のアヌーク・エーメのまま歳を重ねていて、メスはもちろんボトックスを入れたような感じがまったくなくて、十分過ぎるくらい美しい80歳のアヌーク・エーメだったのです。
欧米人は歳を重ねた時の変化が大きい傾向は日頃から感じていますが、でももちろん中には多くはないけれど若々しい人もいます。
アヌーク・エーメはその多くはない中の1人、しかも相当なレベルの若々しいフランス人だと思いました。
子供の頃、3チャンネル(昔の教育テレビ)で放送された映画「モンパルナスの灯」で初めてアヌーク・エーメを見て、こんなに大きな黒目でアンニュイな雰囲気があって美しい人がいるんだ、と思ってから数十年。
その後まさかのフランス住まいになったそのフランスで、子供ながらにその美しさに見惚れた人が80歳になってもそのまま美しかったことを知ったのは、とても感慨深いものがありました。
それに、世界的大女優なのに受け答えしている様子がまったく傲りも気どりもなくて、とても感じがよかったのです。
たとえば、自分はとにかくただたくさんのチャンスに恵まれた、それに尽きる、と。
でも、その美貌はどう考えても天からもらったもの、映画人が放っておくわけがない、と思いました。
それでも彼女は、とにかく自分はチャンスに恵まれたのだ、と言い切っておりました。
そして、クロード・ルルーシュと2人で「男と女」の舞台になったドーヴィルを訪れた際の映像も紹介されたのですが、それもまた感じがよかったのです。
撮影当時、主演のジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメはすでに大スター。
で、46年後のドーヴィルの海辺をルルーシュとアヌーク・エーメ、2人で歩きながら撮影当時の話になったのですが、当時ルルーシュはほぼ新人監督で映画は自主製作。なので予算がなくてとにかくスケジュールがハードだったそう。
で、途中でアヌーク・エーメがパリにいったん帰りたい、とだだをこねたそう。
その話をルルーシュが話しだすと、アヌーク・エーメが涙を流すほど大笑いして、そうだったそうだった、と。
当時は新人監督と大女優だったのだろうけど、46年後はなんか同士、仲間といった感じで2人肩を組みながら、楽しそうに話していたのです。
2人共ユダヤ系なので、それも同士な雰囲気の理由の1つかもしれません。
とにかく、アヌーク・エーメ(もクロード・ルルーシュも)、自然でとても素敵だったのです。
亡くなってしまったけど、でも92歳だったので、大往生だと思います。
今でも彼女の美しさ、魅力は褪せることはありません。
年齢を重ねても美しいアヌーク・エーメだったので余計にそう感じます。
ボトックスやメスを入れること、私は絶対反対なわけではないのですが、でも1度やってしまうと、またやりたくなり、それが2度3度、それ以上になってしまうのかな。
そうなってくると、もう自分じゃどんな感じが不自然じゃないか、感覚がわからなくなるのかな。 と思います。
それに、自分の姿(心も?)は自分が1番よくわかっているけど、もしかしたら1番わかっていないのも自分かもしれません。
蝋人形状態の往年スターさんもわからなくなってしまったのかな、なんて思いました。
なんか比べるような内容になってしまって申し訳なかったけど、あまりいろいろやり過ぎない方が結局良いのだろうな、なんて思ったわけです。
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