12月17日火曜日はフランス全土で年金改革法案に反対する
大規模デモが行われる予定です。
ストも12日目に突入し、無人運転のメトロ①号と⑭号線は通常運行ですが、
それ以外のメトロは運休。
RER線なども運休か大幅に本数が減っての運行となっております。
そのためパリの道路が大渋滞で、通勤に2時間、3時間かかるようです。
そんなストのニュースが毎日続いておりますが、
そんな中、デンマーク出身でフランスで活躍した女優アンナ・カリーナが
12月14日にパリでガンのため79歳で亡くなりました。
昔々、ジャン=リュック・ゴダール監督の「気狂いピエロ」を観て、
映画の概念がひっくり返るくらいの衝撃を受け、
映画の魅力にとりつかれました。
ゴダールの、こんな演出見たことない!という独特な演出に鳥肌が立ち、
主演のジャン=ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナが演じるカップルの、
こんなイカした2人見たことない!というくらいの魅力にノックアウト。
そして頭に焼き付く衝撃的なラストシーン。
その後「女と男のいる舗道」「はなればなれに」「アルファヴィル」
「メイド・イン・USA」を観て、
ますますアンナ・カリーナの大ファンになりました。
女性から見たアンナ・カリーナはとにかく魅力的過ぎて、
表情も伸びやかなスタイルもファッションも、
すべてが彼女だけの唯一無二のもの。
「女と男のいる舗道」でアンナ・カリーナ演じる娼婦ナナが、
カフェで女友達に人生観について話す場面は今も忘れられられません。
セリフが何ともいいんです。
私はすべての責任がある。
手を上げるのも私の責任。
右を向くのも私の責任。
不幸になるのも私の責任。
たばこを吸うのも私の責任。
責任を忘れるのも私の責任。
すべてが素敵だと思えばいいの。
このセリフはずっと私の心に留められていて、
密かに自分をちょっと戒める時なんかに思い出す言葉です。
そんな女優アンナ・カリーナの死。
でもストのニュースの最後にほんの5秒くらいで伝えられて寂しかったです。
でもでもそんなこたぁ関係ない。
素敵な作品と魅力を残してくれたことが何よりも素晴らしい。
そして、89歳のゴダールと86歳のベルモンドが今も存命なのが、
何ていうか心の拠り所的な気がします。
私にとっての最高にカッコいいフランス代表3人ですから。
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コメント
コメント一覧 (4)
「男と女のいる舗道」も観た事がなかったのです。
観た方が良さそうですね。
「男と女のいる舗道」は、とてもいい人生の教訓のような台詞がちりばめられているのですね。
自分のやっている全ての行動は自分の責任ですね。
たとえば、人の言いなりになっている人でも、それによって起こった事は、自分の責任ですよね。
つまり、言いなりになる事を選択したのは、他でもない時分自身ではないでしょうか!
正直に言えば、生まれつきの能力や社会のせいについしてしまいまう事や言い訳が多いので、お恥ずかしいです。
ストのニュースのせいで、アンナ・カリーナさんの訃報がほんのわずかだったのですね。
何やらストの影響は、いろんな所に及ぶのですね。
きっと好みもあると思うのです。
わかりやすいアメリカのアクション映画とかが好きな人は、
「気狂いピエロ」の何が面白いのかわからない、と言っておりました。
本でも次々と話の展開が速くて読ませるものがあるけど、
速さじゃなく、言葉の魅力で読ませる。そんな違いかしら。
私にとってのゴダール映画(特に前半期の作品)はとにかくかっこいいに尽きます。
女と男のいる舗道のそのセリフも、シンプルな言葉を遊びながら哲学がしっかり入ってるという。粋でかっこよすぎるのです。
この言葉を思い出すと、かっこよさを思い出すと、
何かのせいにするのはかっこ悪いな、とちょっとした時に気づくことがあります。
感化された自己満足かもしれません。はは。
アンナカリーナのニュースはほんとに短かったのです。
もう長いこと活動をしていなかったこともあると思うし、
あとは、日本ではフランスの天才ゴダールのミューズのイメージが強いけど、
フランスは日本人が知らない天才とミューズが他にもた~くさんいるので、
日本ほどには特別感が強くないように感じました。
旦那も、私が、アンナ・カリーナ死んじゃった、と言ったら、
へぇ、で終わりました…。
いつも 楽しく読ませて頂いてます。
実は 6日から ストライキ真っ最中に パリに滞在していました。ストライキは覚悟していたのですが、自転車の登録(velib)が上手くいけず、徒歩とバスで 毎日を過ごしていました。
アンナ カリーナさん亡くなりましたね。。
パリで知り合った方が、カメラマンで、昔、撮ったアンナカリーナの写真を見せてもらい、彼女の魅力を思い出しました。
私も もう随分と昔に観たきりだったので、また、観てみたい気になりました。
男と女のいる舗道…のセリフ とっても気になります。
大変だったパリだったけど、彼女の死と共に また、それはそれなりに魅力的なパリでした。
このセリフを教えてもらって とっても得した気分です。
ありがとうございました。
6日からパリにいらっしゃったのですね。
スト中で不便だっただろうけど、それでも楽しい時間をお過ごしになれたら嬉しいです♪
アンナ・カリーナやゴダールが映画を撮ったパリ、と考えると、
何か不思議な気持ちになりますね。
私は観た時は未来にまさか自分が住むとは夢にも思っていませんでした。
女と男のいる舗道はアンナ・カリーナの魅力に満ち溢れていますね。
ゴダールはアンナ・カリーナにインスパイアされたのだろうな、と勝手に予想しております。
実は私も20年以上ぶりに、2、3か月前、TVで観たんですよ。
ラストがまた何ともゴダールらしい。
こちらこそ、アンナ・カリーナのことをお話出来るととても嬉しいのです。
ありがとう!