フランスを代表する、伝説的とも言える俳優ジャン=ポール・ベルモンドが9月6日に亡くなったことを知った時は、ついにか、と、とてもショックでした。
でも88歳。こればかりはしかたありません。
1年前の映像が何度か放映されていましたが、かなり足腰が弱っていたようで、自分でアクションもこなした映画の中のベルモンドとはやはり違っていました。
でも杖をいったん置いて、白髪で深いシワがあるけれど、変わらない愛嬌のある笑顔で皆に手を振っている姿がとてもチャーミングでした。
10代の頃に初めて観たジャン=リュック・ゴダール監督の「気狂いピエロ」でのベルモンドとアンナ・カリーナは衝撃的でした。
2人の痺れるような魅力はあまりにも眩しくてあまりにもスペシャル。
そして、こんな手法もありなんだ、決まりにとらわれなくていいんだ、と。
それまでの映画の概念的なものがすべてふっとんで、観た後の帰り道もずっと心が高まっていたのを覚えています。
ゴダール映画を観たのはそれが初めてだったのですが、それがきっかけでゴダール作品を観るようになりました。
「勝手にしやがれ」「女と男のいる舗道」「はなればなれに」「アルファヴィル」「中国女」などなど1960年代後半までの作品はほとんど観たように思います。
その後は商業映画を離れ政治色が強い作品になっていたので、正直よくわからず、商業映画に復帰した1980年代の作品からまた観るようになりました。
ゴダールはベルモンドより3つ上。私が心配してもどうにもならないけど不安です…。
唯一無二の天才映画作家であることは世界中の映画ファンがご存知かと思います。
ベルモンドの息子さんの元F1ドライバーのポール・ベルモンドをときどきTVで見かけます。
前に出るような感じじゃなく、どちらかと言うと控えめで、穏やかな人柄なのを感じるのですよね。
旦那も、彼は昔からそうだよ、と言っております。
彼を含めベルモンドのお子さんは4人、お孫さんは6人。
ポールの息子さんの1人は俳優になり、1人は料理人さんになったそう。
ポールさんのイタリア人の奥さま、ルアナさんが現在料理家として活躍しているのですよね。
国葬だったベルモンドのお葬式では、アラン・ドロンも参列。
息子さんのアントニー(一応フランス芸能界で活動中)に付き添われながら、アラン・ドロンも杖をいったん置いて皆に笑顔で手を振っておりました。
ベルモンドの息子さんのポールも含め、たくさんの参列者が笑顔を見せていたのですが、悲しい顔よりも笑顔の方がベルモンドにはぴったり。
見守っていたファンの1人も、さよならじゃないわ、彼はいつもいるわ、とニッコリ笑っていたのが印象的でした。
アンナ・カリーナは2019年の12月に79歳でパリで亡くなっております。
その時の記事はコチラ→火曜日は大規模デモと女優アンナ・カリーナの死
ベルモンドもパリで亡くなりました。
パリを離れ南仏などに住まいを移し、仕事の時だけパリに’来る、というスターも多い中、2人共ずっとパリ。
たくさん撮影した街にずっと暮らすってどんな感じだったのかな。
通る時には、やはりその時のことが過ぎっていたのかな。
なんて思っております。
衝撃を受け影響された大好きな映画の、大好きな遠い遠い世界の2人と、パリの街のどこかで少しでも同じ時間を共有していたと思うと不思議な幸せを感じます。
今天国で再会して、ゴダール作品はシナリオがないから大変だったね、な~んて話してるかもしれません。
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コメント
コメント一覧 (4)
ベルモンドさん…88歳なんですね。
寿命は全うされましたね。
「気狂いピエロ」の方でしたか…。
ヨーロッパの映画が好きな人なら、このあたりは、
皆おさえているポイントかもしれないです。
よく耳にする作品なのに、あぁ…情けない事に未見です…(^^;
「女と男のいる舗道」は、前にも、このブログで記事にされたはずです。
アンナカリーナさんの訃報と絡んでいたような…↑↑
アンナカリーナさんは映画の中ではお若いので、
高齢になっているイメージはないですね。
ゴダール監督は一時期、政治色が強く
80年代から元のようなジャンルに戻ったんですねぇ。
人には変遷する時期があるものですね。
ゴダール監督は未だ御存命なのですね。
中々のご長寿です。
ベルモントさんの子供やお孫さんは、
それぞれそれなりに活躍しているんですね。
F1ドライバーや料理家など…。
葬儀にはあのアラン・ドロンさんも参列ですか…。
アランドロンのイメージで仏男性を見てる日本人の女性は多いです。
素敵なフランス人の代名詞のような存在です。
葬儀は参列者にとって懐かしい人に会う機会のような気がします。
だから参列者も笑顔な気がします。
寿命を全うされてますし、国葬なら
これ以上ないほど誉高い式ですね。
マクロン大統領も弔辞を述べてますね。
こちらこそそんなありがとうにありがとうです。
好きな時間に更新にしたらとてもラクになったので、このまま普通に続けてまいります!
88歳は全うしたと言ってもいいですよね。
ゴダールはさらに上。
でもお姿は写真等でもまったく出ないので、人生の最後をゆっくり過ごしていらっしゃるのかな、と。
アンナカリーナも79歳でしたからもちろん若い頃とは違っておりましたが。
誰でも年を取るので当たり前のこと。
輝きは永遠です。
アランドロンも年をとりました。
間違いなく歴史に名を残す俳優の1人ですが、現在、気取ってなくて軽い?感じでスター然していないところがいいのですよ。
まだまだお元気でいてほしいです~。