海外に出るのは何か目的があるから。
というふうに考える人が日本にはまだ結構いらっしゃるかもしれません。
特に留学のイメージがあるかもしれません。
渡仏を決めた時、家族はとても心配して、普通は、音楽勉強のためとか、その国の言語を学びたいとか、ちゃんとした目的がある人が海外に行くもの。
と、私も言われました。
どうしてそう言われたかというと、私は音楽をやっていませんし、フランス語を学びたかったわけでもないですし、何の才能も特技もありませんし、もっと言うとフランスに住みたかったわけでもないからです。
ただとにかくどこか海外に住んでみたかったのです。
海外旅行をたくさんして、自分は本当に海外にいることが楽しい、なのでいつか旅行ではなく住んでみたい、可能なら永住したい。
そう思っていたのです。
最終的にどうしてパリになったかと言うと、このブログで何度か書いておりますが。
本当はポルトガルに住みたかったのですが、直行便がないので日本から一緒に連れていくチワワ坊やが乗り継ぎの時、貨物室になる可能性がある、と航空会社に言われたからです。
で、それは無理、と思い、直行便があって、わんこと住める部屋が他の国よりは見つけやすそうなパリにしたというわけです。
家族には、そういった考えが甘い、と言われました。
でも、甘くてもいい、とにかく住みたい、と思っていたので決心はまったく揺らぎませんでした。
で、住むためには、その時は語学留学しか方法が思いつかなかったので、しかたなく語学留学という形になったのです。
でもフランスに、パリに来てみると、音楽やデザイン、料理、フランス語の勉強のための留学の人がもちろんいたけど、ただフランスに住んでみたかったという、日本人も含めた世界中の外国人もた~くさんいました。
自分はあんなに大決心してパリに来たけど、外国の人は気軽に海外に住んでみているんだ、と知りました。
それも含め、パリに住んでみて、日本で当たり前だった習慣や考え方が、フランスではまったく違うことを知り、そしてフランス人と結婚してフランス人に囲まれ、さらにその違いを大きく感じております。
仕事の考え方、パートナーの形と考え方、子供、他人との付き合い方、セクシャリティ、心の在り方、定年退職後の考え方、人生の考え方。
とにかくまったく違います。
それが興味深いし、自分の生き方にも今大きく影響しております。
何より、フランスに来て、本当に良かったと心から思っております。
永住まで叶っているのが(先のことはわかりませんが)夢のようですが、何よりまず実行したからだと思っております。
そう言えば、うちのご近所さんの日本人カップルの奥さまも、ただ海外に住みたかったから来た、って言っていましたっけ。
こんな私たちのような人もフランスに、たぶん世界中に、たくさんいるのだと思います。
なので。
勉強が目的なのはもちろん素晴らしいことだけど、特に大きな目的がなくても海外に出てみたいなら出てみればいいんじゃないかな、と思います。
どんなに心配してもらったとしても、結局人生は誰のものでもなく自分のものです。
その人生は短いです。
あっちゅう間に時間は過ぎます年を重ねます。
そして、住んでみて、やっぱり日本の方が良い、って思えば帰ればいいし、残りたいけどそれが出来ない場合もあるだろうし、とにかく何が何でも海外に住み続けたいと思えば、そのために頑張る。
(仕事とかパートナー探しも含め)実際、私がフランスで知り合った日本人たちも様々で。
半年で日本に帰る人もいたし、10年以上パリの学校に通っている人もいたし、フランスで結婚した人、パートナーと暮らしている人もいます。
それから1つ私が思っていること。
それは可能ならやはりなるべく早めに行動した方がさらに良いということ。
渡仏してきた時、私はもう若くはありませんでした。
それでも来て本当に良かったのですが、もしもっと若い時に海外に出ていたら、もっと早くにいろいろ知れたな、気づけたな、と思っております。
これは私が勝手に妄想することですが。
もし、私が若い時にフランスに来ていたら一からフランス料理を学んでみたかったし、スペイン、ポルトガルにも住んで料理を学びたかったです。
世界中を渡り歩いていろんな料理に出会い、食べたかったです。
でもそれも、もし、だったらの話。
今は、家で家族のために料理を作ったり、たまにビストロやレストランに行って美味しいものをいただくので十分楽しいで~す。
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コメント
コメント一覧 (4)
実行に移す行動力に乏しいです。
語学学校とか週一だけど、通ってた事ありますね…。
結構、御月謝が高かったです。
NHKの語学講座も録画してテキスト買ったり視聴してましたもの…。
程度の差こそあれ、誰もが海外生活をしてみたいと
思う事はあると思います。
実行に移せる方は限られていますし、
チャレンジャーですよねぇ…(*'ω'*)
むしろ、自分の知っている海外に行きたいという人って、
必ずしも音楽とか学びたいとか美術を学びたいとか
そこまで明確に形のある目的があるわけでもない感じ…。
moiさんの場合、海外に住む事自体が目的と言える気がしますけど…。
ポルトガルに当初行きたいけど、チワワ坊やの為に
パリになさったと過去記事にも書いてましたね。
よくポルトガル・バーに行くのも、ポルトガルに行きたい気持ちがあった
事の名残かと思っています。
語学はその国に生きる上で基本ですね。
まずは言葉ができる事が突破口なので、
語学留学がまず必要となりそうです。
音楽やるにもまず、その前に語学です。
海外に興味があっても、中々突き進めないのは語学の壁です。
この壁をのりこえ、突き進むの凄いと思います。
尚、何かを学ぶとしたら、お料理はいいですね。
お料理のスキルは役立つし、具体的に料理人にならなくても
生活者としても必要です。
高校生の頃母に、フランスに行ってみたい、住むのが目的と話したら、勉強の目的も無いのに!とボロクソ言われたのを思い出しました。音楽を習っていたので、音楽関係なく住んでみたいだけというのが理解できぬという感じでした。でも、世界中には住みたいという理由で行く人たくさんいたんですね。
そのことをぜひ若い人に知ってもらいたいです。
ウラジミールさんも海外に住んでみたいと思ったことがあるのですね。
私も子供の頃じからず~っと憧れでした。
でも子供の頃は実行することまではまったく考えていませんでした。
海外旅行をするようになって、1人でも自由旅をするようになって、住むことが少しリアルに考えられるようになっていきました。
はい、目的はほんと、住んでみること、だったのです。
でも日本では、海外に住む=特別なこと。的な感覚。
なので、目的が、住むこと。は、全員にまではなかなか理解してもらうのは難しいです。
でも以前よりは日本も少しずつ変わってきているのかな、なんて思っております。
今住んでいる街はポルトガル系の人も多いし、マルシェもポルトガルバーなので、ポルトガルには住めなかったけど、嬉しく思っております。
確かに住むにしても、言葉がまず大事ですね。
手続きも言葉が少しでも出来ないと困りますし。
留学手続きは大変だったけど、まずは留学でしかたなかったと思います。
料理はほんと良いスキルになるし、役立ちますよね。
私も、ここフランスで作る日本の料理がとても役立っております。
どこの国の人も、美味しいものが大好きですから。
私も親族に同じように言われました。
やはり少し年代が前だと、海外はまだまだ特別な場所で、旅行がマックスな感じなんですよね。
でもフランス人もですが外国の人は、住む国を変えることをそれほどすごいことと思っていないことが多いです。
仕事を変えることもで、仕事を辞めてフランスから日本や他の国に移り住む人を結構見てきました。
そういうのを見てくると、自分で自分の世界を小さくしてしまう考えはもったいないな、と思います。
はい、私もぜひ若い人にもっともっと知って欲しいです!
海外に出るとその国の良い点と悪い点、日本の良い点と悪い点が自分なりに考えられるようにもなって、これからの日本のためにも良いことのように思います。