同じ街に住む旦那の顔見知りカップルは、旦那さんの一軒家で長年同居している熟年事実婚カップル。
旦那さんには離婚した前の奥さんとの間に娘さんがいますが、娘さんは結婚して地方都市で暮らしております。
街中やマルシェでたまに私もそのカップルにお会いするのですが、奥さんはいつも真っ赤な口紅をつけていて、スレンダーでおしゃれ。
2人はかなり年齢差があるのかな、と思っていたのですが、旦那さんとは4、5歳しか離れていないようで60代後半だそう。
フランス人は私たち日本人から見たら、実年齢より上に見える人が多いので、珍しいな、素敵なことだな、なんて思っていました。
そんな2人に、しばらくマルシェで会わないな、と思っていたら、その旦那さんが去年の終わり体調を崩し今年に入ってすぐ亡くなった、ということを、旦那が人づてに聞いてきました。
最後に会った時はとても元気そうだったので、なんか突然で、私もびっくりしました。
そして、奥さんはどうするのだろう?というのが過りました。
事実婚で、家が旦那さんの家で、娘さんがいる。
状況は違うけど、私も決して他人事じゃないので心配で、旦那に聞いてみると。
やはり正式に結婚していないので彼女には何も権利がないこと。
新しい持ち主になった娘さんが家の売却をすでに決めていること。
なので奥さんは出て行かなくてはならないけど、自分のアパルトマンを持っているので、住むところは困らないことなどを話してくれました。
アパルトマンがあることにはホッとしました。が。
それでも何か、哀しみも感じたのは否めません。
フランスのカップルは自分たちに合わせ自由に、事実婚、結婚、共同生活のための契約制度のパックス(PACS)を選ぶけど。
それを私はずっといいことだな、と思っていたけど。
場合によっては、やはり結婚しているということは大きいんだな、と今回のことでは思わざるを得ませんでした。
で、つい2、3日前、わんこの散歩中に、奥さんをお見かけしたのですが。
彼女もわんこの散歩をしていたのですが、私に気が付いたように思いますが、こちらに背を向けて、顔を合わせないようにうつむいていたので、私もそっと通り過ぎました。
まだ旦那さんが亡くなって2ヶ月ちょっと。
わんこがいるけど突然1人になってしまって、しかも住み慣れた家を出なくてはならなくて。
ショックは大きいと思います。
フランスはアムールの国だし、たとえパートナーに何かあっても、いくつでも恋人は出来るから大丈夫よ。
とは私のお友達が以前言っていた言葉。
今はまだそんなことは考えられないだろうけど、とにかく元気になって、赤い口紅が似合う、あの若々しい綺麗な彼女にまた戻る日がくればいいな、と願っております。
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コメント
コメント一覧 (4)
権利が無いので、親族である娘さんが売却するので
家を出ていかなきゃいけないですね。
事実婚は、そこが辛いところですね…。
でも自分のアパルトマンがあるから良かったですね…
住み慣れた家を出ていくのは、寂しいですが…。
この状況…本人があまり何も持たない人なら…
露頭に迷ったりする可能性も出てきて怖いです。
せめて、パックスなら確かいくぶんか、
法律の加護があるのでは…。
事実婚や同棲状態でも2名の間に子供がいれば、
かなり違ってきそうですけどね…。
子供に権利があるから何とかなりそう…。
後、遺言書があれば、助かりますね。
pacsって、聞き知ったイメージではあらゆる面で婚姻パートナーと同等の権利があるのだと思っていて、さすがフランス〜、でも逆に、それなら正式結婚の意味って??? と腑に落ちない思いもありました。基本的には相続権はないのですね(遺言書などで可能ではあっても)。驚きました。
ご自分のアパルトマンがあって、本当に良かったです。
それがなかったらかなり大変なことになったと思います。
パックスだけでもしておいたら、1年はその住まいにいれるなどの権利があるようなので、その1年の間にどうするか、考えられたのですよね。
突然の死だったので、亡くなったご本人も彼女のための準備が出来なかったのかもしれません。
でもとてもお綺麗な方なので、多くの男性が放っておかないかな、とは思っております。
元気になって、またあの生き生きとした顔を見せていただきたいです。
このカップルは事実婚でPACSも含め、2人の間での契約は一切なかったのですよね。
だから、何の権利もないようです。
PACSの場合だと、パートナーが亡くなってもその家に1年は住めることや、税金控除の面で結婚カップルと同じようにプラスがあるようです。
そして結婚カップルは遺族年金がもらえることや、死ぬまでその住まいに住める、などが可能なようです。
人生は何があるかわからないので、いざとなった時はやはり結婚の形をとっていることがこの3つの中では、少しは安心なのは否めないんですね…。