スカウトされてパリの有名レストランに招かれて働いていて、講師や審査員も務めているイタリア人のソムリエさんが、生徒さんを含めた日本人について言っていたことがあります。
それは。
「日本人は真面目過ぎる。あれでは疲れちゃう」
ということ。
それを聞いて、ああ、わかるな、と思ったんですよね。
今でこそフランスでのんびり暮らしておりますが、私も日本で働いていた時はかなり真面目ちゃんで、体調が悪くても人にまかせるのが心配で、休まず仕事に行くような人間でした。
それに仕事が好きだった、ということもあります。
仕事を辞めて専業主婦になった知り合いが何人かいたけど、私はずっと働きたいと思っておりました。
でも母の介護があって、そして亡くなった時に、人生について考えさせられ、仕事をいったん辞めてみようと思い、辞めました。
そしたら、若い時から時々できた背中のニキビがまったくできなくなりました。
仕事が好きだったはずなのに、実はストレスがあったんだな、とそれで気づきました。
そしてフランスに来て、フランス人たちのいい意味できっちりしていない、リラックスした働き方を見て。
昔自分は日本で頑張り過ぎていたな。
きっちりし過ぎていたな。と思います。
でも、日本人のそんな真面目さがここフランスで信頼されているってこともあるんですよね。
フランス在住50年の日本人の方が以前言っていたけど。
パリにやって来た70年代、アパルトマンを借りる時なんかでも、日本人だというだけでとにかくすぐ信用されたそう。
それは今も続いていて、たとえばフランスのレストランで修業する日本人は技術はもちろん、真面目に仕事に取り組むことでも、オーナーの信頼を得る場合が多いようです。
人間はそれぞれ性格が違うけど、生まれ育った環境の中で形成されていく部分も相当大きいんだろうな、と感じます。
イタリア人のソムリエさんは奥さんが日本人なのですが、彼女が言っておりました。
旦那さんは他人がとやかく言ってもまったく気にしないそう。
以前アパルトマンの下の階の住民に苦情を言われたことがあって、彼女はやはり気になって気を遣っていたそうなのですが。
旦那さんは、ま~ったく気にしていなくて、その住民に会っても何もなかったように平然としていて、そんなところにびっくりする、と言っておりました。
うちのフランス人旦那は、そこまで気にしない質ではないのですが、それでも、たとえば以前誰かとの間に良くない経験があっても、それを引きずることがほとんどありません。
私は、いやな思いをした場合は、心のどこかでは残っていてすっかり忘れ去る。ということはありません。
その経験も合わせて考えながら、その相手と関わっていくような感じです。
なので旦那の忘れ去り方を見ていると、性格はもちろんなのですが、気質が違うな、とつくづく感じるんですよね。
ところで、そのイタリア人ソムリエさんの働いていたレストランでは、まかないはいつも’冷凍食品だったそうで、家では冷凍食品は一切食べたくない、と奥さんに言っていたそう。
レストランやビストロのまかない料理にずっと憧れていた私ですが。
そんなお店もあるんだな、とびっくり。しかも有名レストランで。
そのオーナーシェフさんはフランスにいくつものお店を持っているので、きっと全部のお店で冷食なのでしょう…。
飲食店では絶対美味しいまかないが食べれると思い込んでいた私は、それを聞いて少しショックでした。
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コメント
コメント一覧 (4)
どう考えれば、サッと忘れられるんでしょ?イヤな人のことは、引きずってしまうので、とても知りたい考え方です。(今もあり…)
美味しいお店でまかないは冷食、びっくりしますね。
背中にニキビもストレス性なんですね。
日本人が真面目なおかげでフランスでも信用されてますね。
他の日本人が正しい行動をしたおかげで、
すぐ日本人が信用されアパートを借りれますね。
自分がいい思い出来るのも他の日本人のおかげなので、
ちゃんとしないといけないです。
でもフランス人の適度に不真面目でひきずらない所は羨ましいです。
嫌な事は、何年もひきずり立ち直れないところあります。
ところで、まかないが冷凍食品と言っても・・・お店で作った物を冷凍した物?市販の冷凍食品?…どっちでしょう?
市販の冷凍食品なら、不経済ですね・・・。
でも、そうするにはそれなりの理由があるかも…
店員だからって、そこの店の料理をタダで食べさせない方針なのかもしれないですね。
私がバイトしていた食品エリアの一部の店舗がフランスのその店を彷彿させます。
余り物は必ず捨てて、持ち帰りは一切禁止の決まりでした。
店員だからって、無料で店の商品を食べさせるわけにはいかず、
食べたければ、自分のシフト以外の時間に、お金を払って食べなさいという決まりでした。
もちろん、余り物をくれる店もありました。
すんごい高級品がタダで食べれた事もありますね。
タダで食べれるチャンスがあるとなると、買わない人が出て来るのも言えます。
まかないを与えないのは、自分の金で、払って食べてほしいという事だと想像します。
旦那や周りのフランス人たちを見ていると、とにかくほとんどの人が過ぎたことは引きずらないんですよね。
皆がほとんどそういう性格?気質?だから、お互いさっぱり忘れていくのかな、なんて思います。
私も日本にいた時は、気にし屋なとこがあって、なかなか忘れられない方でしたが。
今フランスで終わったことは忘れ去る人たちに囲まれているので、気にする必要がなくなりました。
たまにちょっと気にして旦那に話すと、たいしたことじゃないよ。
で終わります~。
日本人は皆がもう少し自分にも他人にもゆるく厳しくなくなると、お互いにラクになるのかな、と思います。
でも日本はまず会社や学校の上の考え方が問題ですかね。
ってヵ一番には政治家たちが古くて良くないのかも…。
でも、はい、私もですが、70年代も今も日本人が世界で信用が高いのは、今までの日本人たちがそのように作ってきてくれたのだと思います。
私もフランスで酷い目よりは、良かったことの方がず~っと多いので、今までの日本人の方々に感謝です。
フランス人の引きずらなさは、かなり目からウロコ的です~。
私も元来は気にし屋なのですが、家族でいつもそばにいる旦那の忘れ去り方を目のあたりにしていると、私も気にすることが少なくなりました。
人との付き合いが最小限なのも私にはラクチンです。
冷凍食品は市販のものです。
フランスは冷食の種類が豊富で、野菜もほとんどが揃っているし、味付け済みでチンすれば良いだけの野菜も、ひき肉も、とにかくたくさんあって、スーパーで大袋を買えばかなり安いんです。
まかないの材料、スタッフの人数分を作る時間、手間を考えると、冷食が便利なんだろうな、と思います。
日本でも厳しいお店があるんですね~。
もったいない気がするけど、無料で持ち帰りさせると行き過ぎた人も出てくるのかな。
やり過ぎな人、どこでもいますからね。