たまに日本に住んでいた時の小さな出来事をふと思い出すことがあります。
今回はそんなふと思い出した、日本で働いていた時の出来事の1つを書いてみたいと思います。
経理部所属で、さっぱりさばさばしているように見える性格で、活動的でスキューバダイビングが趣味でいつもほんのり小麦色に日焼けしていて、夏休みにはフィジーや沖縄にしょっちゅう行っている、私より2、3歳年下の女性がいました。
地元は千葉で、お父さんが会社を経営してるとかで、地元ではなかなかのお嬢さまだというのを誰かが話しておりました。
そこからくる自信のようなものも何となくですが感じられましたが、でもいやな感じの自信は私には感じられませんでした。
なのですが、彼女の言動で、最初に感じたのとは違う、さばさばした雰囲気の奥にある彼女の一面が、次第に見え出したことがありました。
最初に、え?と思ったのが、私のことを、10代に見えるけどもうすぐ20代後半でおばさんだよね、と。
私の前で、他の同僚たちに明るくさばさばとした言い方で言い出した時。
それが1度や2度じゃなく、何度もありました。
1度めの時は、彼女のことだからそれほど悪気はないんだろうな、と思ったのですが。
何度も続くので、悪気がなくはないな、たぶん悪気あるんだな、と気づきました。
さらに、え?と思ったと言うか、困ったことがあって。
それは、彼女と同じ経理部所属の同僚の30代の独身男性のSさんに、またしても私の前で、Sさんと私、歳も近いしお似合いだよ、と言い出してきたのです。
Sさんは銀縁メガネをかけていて高学歴で神経質で超真面目なタイプ。
まったくタイプじゃなかったし、その時私には彼がいたし(誰にも言っていなかったが)、しかも彼女のいないSさんがまんざらでもなさそうにするから、本当に困りました。
そんな彼女も社内に彼がいて、公然の秘密のようになっておりました。
彼は人事部所属で濃いめの顔で、イケメンだと言う女性社員が結構いました。
(父が沖縄出身で濃い顔に慣れていた私はそうは思いませんでしたが)で、彼女があまりにも私の年齢のことをさばさばな感じを利用して言ったり、Sさんのことを何度もしつこく言うので。
私は以前ほどには話さないようになり、私の気持ちを感じとった彼女もあまり話かけてこなくなり、距離があいていきました。
そんなある日、私が洗面所に入って手を洗っていると、彼女が足早に入って来て、個室トイレに入りました。
するといきなり、爆発したか?と思うくらい大きなおならの音がトイレ中に響き渡りました。
おトイレに入っているのは彼女だけだったので彼女なのですが、たぶん自分でもびっくりしたし焦ったと思います。
もちろん私もびっくりしたけどおトイレでのことだし、プライベート?なことなので、なんか聞いてしまったのが逆に申し訳ないような気がして、さっさと洗面所を出てきました。
当たり前ですがもちろん、誰かに言うなんてことはありません。
でも、彼女の方は気にしたようで。
そのことがあった日から私と目をまったく合わせなくなり、気にしてるのかな、と感じた私は、何も聞いてません的な感じで、とにかく出来るだけごくごく普通にしておりました。
するといつの頃からかなぜだか、目を合わせないから、ツンとした態度で私を完全無視するようになりました。
しかも人事部の彼まで私をあからさまに無視するようになりました。
彼女が何を言ったのかはわかりませんが、私は何もしていないし、誰にも言っていないので、2人のこの態度にはさすがにムカッときました。
正直、あの大きなおならのことを誰かに言ってしまいたい気持ちがこの時過ぎったのは否めません。
でも、それはしちゃいけないことだと思い、誰にも言いませんでした。
その数ヶ月後、彼女はその彼との結婚が決まって会社を辞めることになり、皆に挨拶周りをしていました。
私も最後くらいは気持ちよく、と思ったけど、やはり最後まで無視されました。
その後、一緒に私を無視していた彼の方も部署が変わり、別の建物に移ったので、2人と顔を合わすことはまったくなくなりました。
なのですが、それから3、4年経った仕事帰りのある日、メトロのホームで偶然、彼女と再会しました。
階段を降りてホームに着いたちょうどその時、すぐ目の前に彼女が歩いてきたのです。
彼女は私に気づくと、はっとして表情をこわばらせました。
会いたくない人に会ってしまった、というような表情でした。
その時の彼女は、一緒に働いていた頃のような活動的で自信にあふれた感じはまったくなくなっていて、とても疲れているように見えました。
私が、あ、久しぶり、と声をかけると、彼女も、ああ、みたいな感じで答えたように記憶しております。
そして、なんだかとても疲れているように見えるけど、大丈夫?と私が言うと。
あ、大丈夫大丈夫。と彼女は顔を引きつらせながら苦笑いで答えました。
あとは適当な話をちょこっとして(どこかの会社で派遣で働いていると言っていました)、じゃあ、と言って別れたのですが。
別れた後、私はどこか心の中で、ちょっと気持ちがすっきりしている自分がいることに気づきました。
彼女が私に気づいて顔をこわばらせた時、私の中に小さな意地悪心がわいたように思います。
「なんだかとても疲れているように見えるけど」という言葉は、私の小さな仕返しだったのです。
で、今日初めてこのブログでこの出来事を書いたわけですが、何十年も前のことなのでもう時効ってことで、OKかな、なんて思っております。
思えば、私はサツマイモやカボチャがすごく好きな方ではなく、普段からそんなには食べないのですが。
こんな出来事もどこかで影響しているのかもしれません。
そんなことをふと思い出したパリの秋。
今日はどんより空で雨が降ったり止んだりの、見事に絵に描いたような11月のパリでございます。
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コメント
コメント一覧 (10)
無視ってほんとにあらゆる所でありますね。
日本特有に感じますか?しかも特定の人だけにうまく無視する人。
私も今そういう人がいて(挨拶しないのにすれ違いざまブツブツ言ってるし)プチストレスで毎朝吐き気します😑
この昔のオナラ事件も関係するんですね。
繊維の長い薩摩芋は、オナラを誘発しやすい食べ物です。
しかし、普段、失礼でマウントとってくる彼女が盛大な
オナラをした事は笑えますね。
内心、普段の態度が悪いから、私だったら
バラしたい気分になりそうですが、
トイレというプライベートゾーンの事。
さすがに吹聴するのは大人げない事なんで、
やはり控えるでしょうね…(^^;
別な記事で、年齢の事で嫌がらせのように
おばさん扱いをする事が不愉快だと書かれてましたよね。
この彼女の事をさしていたんでしょうかね?
「もうすぐ20代後半でおばさんだよね」
30歳付近に近づくと、性的対象外の女性として魅力のないおばさん扱いを
してくる嫌がらせする人。←こういうのはフランスにはいませんね。
小さな仕返しで、「疲れているように見えるけど」と、彼女に言った時、
一緒の会社で働いていた時と感じが違うんですね。
もしかして、moiさんと働いている時の会社より何かランクの低い会社にでも
いるのでしょうかね。その事が自信を失わせているのかもしれないですね。
前の会社の人とは、moiさんでなくても、会いたくない可能性もありそうです。
さて。どうしたらよかったんでしょうね、今でもわかりませんね。気持ちとしては
今なら「自分で自分の体面を壊しちゃって、自分のしたことに自分で苦しんでるんだな、気の毒だね」と思いつつ、他言しないにしても
強気な彼女の顔が嫌になった時の思い出しネタとして、自分だけのひそやかな愉しみにとっておく、という余裕ももてますが若い頃にされたらシンドイね。
でもブログ書くような人には、ここらへんの
「言ってはいけないな」という感覚は大事。
そういう人が書くブログだから、誰が読んでも不快無く読めるんです。
他の人の読み物で、
その人は息子さんの彼女のことが気に入らなくて、
彼女がトイレを借りて行った時に使用済みのナプキンを、トイレの小箱に入れて行ってしまったとか、
息子と彼女が大喧嘩した時のくだりの中で、
息子不在時に彼女から相談され告白された話で、
彼女が過去に過去時の彼からデートレイプされた、と
ほぼリアルタイムで、その時点でまだ息子と付き合ってる女の子なのに書いてしまっていて
「そういう事は書かないであげてほしかったなー。それが人としての品ってもんでしょ。」と
思ったことがあります。
フランス人の話で、日本語が読めないからバレないからといって
自分の知らない所で、デリケートな問題を日本中にバラされてしまってこんなにも悪口を言われてしまっている彼女に同情してしまいました。
身の回りの人ではないし、15年以上も経っているのネタですもんね。時効ですよ^ ^。
すみません。
mo iさんの話は、身の回りの人の話ではないし
15年以上も経っているし、時効ですよね。
今から、もっとお芋好きになってみる^^?
シンプルに「トイレで爆発音」って面白いですね。
読んで笑っちゃいましたよん。
無視、残念ながらフランスもあるんですよ。
しかも日本人の場合、そうそう、特定の人だけにうまくやるという場合が多いけど、フランス人は、堂々とやります。
なので周りはすぐわかるというか。
そこがどフランスらしいというのか何なのか。
meriさんも今身近に無視してくる人がいるのですね。
その人と関わらなくていい日が来ますように。
こっちが放っておけば、きっとその人に罰が来ると、私は思います!
1人の時はお腹ははっても良いけど、1人じゃないし、やはり女性としては、家族の前でも平然としたくないので、そのためにはサツマイモやかぼちゃは控えるよう、何となくしている気がします。
その爆発事件も、自分が気をつけようと思った原因の小さな、いや大きな?1つかな、と。
でも身体には良いんですよね。
そうなんです。
吹聴したら、私も大人げない残念な人になるので、無視されてもぐっとこらえました。
はい、この人のことも、年齢嫌がらせの1つです。
でもこの他にもたくさんありました。
たぶん多くの日本の女性が経験してるように思うのですが。
全員じゃもちろんないけど、日本の女性は、年齢が自分の方が若い、ということで勝っている、的なことを思う人が結構いるな、と感じます。
でもそうなってしまっているのは、日本の昔から今もずっと続く、女性は若い方がいい、若ければいい、という一部の、でもたくさんの男性の考え方のせいかな、と思います。
これはフランスにはないんですよね。
この点はフランス、女性は本当に暮らしやすいな、と思います。
彼女と再会した時、どこの会社とかはぜんぜん話さなかったのですが、服装も地味になっていたというか、ちょっと手抜きみたいな感じで、もしかしたらそれもあったのかもです。
変な恰好してる時は人に会いたくないですからね。
今だから過ぎた話と思えるけど、その時は、こっちは何もしていないのに何だかな、と解せなかったし、ちょっと悔しかったです。
でも、数年後の疲れた彼女を見た時、やっぱり自分にかえってきているのかな、とちょっと思ってしまいました。
はい。「言ってはいけない」って感覚は、マナーは、大人として1人の人間としてとても大事だと私も思います。
あの時、もし私が悔しくて彼女の大おならのことを言ってしまっていたら、私も彼女のことを言えないです。
息子さんの彼女のことをそこまで書いている人がいるのですか。
びっくりと言うか、恐いですね…。
フランス人は基本的には他人のことも、それから家族の恋人のことも、あれこれとはあまり口を出してこないので、それは良い点だな、と思っているのですが、なんだか真逆ですね…。
せっかくフランスに住んでいるのに何でなんでしょう。残念です…。
大丈夫。ちゃんとわかったし、もうだいぶ時が過ぎたので、書いてもOKだったかな、とほっとしました♪
私的には「大きな(おなら)」と「小さな(仕返し)」のタイトルが、話を最後までだいたい読んだ時にぴったりくるように、と思って記事を書いてみました。
あ、でも内容は流れも含めすべて事実です!
笑ってもらえて…嬉しい♡
what goes around comes around
意味がわからなくて検索しました。
はい、たぶんそうですよね。
人生は、悪いことをすれば、やはりそれなりにツケが回ってくることが決まっております。
それに早く気が付いて、悪いことをしないのが結局自分のためだと気づく方がずっと得なのです。