パリ庶民のリアルな日常と暮らし情報、料理を中心にご紹介してるmoiです。

今日のパリの最低気温は0度、最高気温予想は8度で、お天気は雨となっております。

数日前、去年お母さんが倒れて要介護になってしまった長年の友人にメールをしてみました。

毎年実家からそう遠くないところに住んでいるお兄さん家族もやって来て、年末年始は家族皆で揃って賑やかに過ごす家だったので。

状況が変わってしまった今年は、年始が終わって少し落ち着いた頃に連絡した方がいいかな、と思っていたのです。

で、メールしたのですが、思いもしていなかったような悲しい返信がきました。

年末に泊まりに来たお兄さんに、2週間に1度でも手伝ってほしい、とお願いしたら、そんな話をしに来たんじゃない!と言って怒って帰ってしまったと。

その後彼女は泣いて、お父さんは、2人でお母さんを守っていこう、と言ったと。

彼女はお兄さんが大好きで自慢で、昔からお兄ちゃんがお兄ちゃんが、と本当によく言っていて、お兄さんが就職して結婚した後も変わらずお兄ちゃん子でした。

最初にも書いたけど、年末年始はもちろん、とにかくしょっちゅう皆で集まるような家で、私が渡仏した後も、家族、そして姪っ子たち(お兄さんの娘)のことも、メールや一時帰国で会った時によく話していました。

それに彼女自身昔から何でもポジティブに考える子で、泣いたのを私が見たことはありませんでした。

典型的だけど日本的な良い家庭で育って、私も何度も会ったことがあるけれどご家族も善良な人たちで、だからいい子に育ったんだな、と思っていました。

それがお母さんの介護となった時、こんな状況になってしまったのです。

なので、短いメールだったけど、彼女とお父さんの悲しみがぎゅっと詰まったメールだと感じました。

それからずっとこのことが頭から離れません。

子供からそんなことを言われたお父さんの気持ち、泣いたと書いてきた彼女の気持ち、そんな話しをしに来たんじゃないと怒って帰ってしまったお兄さんの気持ち。

お母さんが倒れる前からのことも含めて私は何も知らない部外者だし、親の老後は子供が必ずみなくてはならないとも思っていないので、あれこれ言えないけれど。

それでも、高齢の父と自分と同じように働いている妹の2週間に1度の手伝いも出来ない(文面からしておそらく手伝いたくないということなのでしょう)って、しかも怒って帰ってしまうってどういうことだろう…と過ったのは否めません。

若い時、彼女とたった1度だけ大喧嘩したことがあります。

2人でイタリアのトスカーナを旅した時なのですが、何のきっかけだったか、自分たちの親が老後になった時どうするか、という話しになりました。

彼女が、お兄ちゃんが長男なんだからそりゃお兄ちゃんがやるべきと言うので、男兄弟がいなかったこともあり私が、同じように育ててもらったんだから長男がとかはおかしいと思う、と言って言い合いになったんです。

春のシエナの美しい田園地帯のど真ん中でした。

その後は旅の間中険悪なムードだったのですが、でも日本に帰ってきてからまたいつものように戻りました。

本当に親しい関係でしたから。

それから10年くらい経った頃でしょうか、ある時彼女が私にしみじみ言いました。

今はあの大喧嘩した時のmoiちゃんの言ったことがよくわかるよ、と。

お兄さんが結婚して独立して家庭を持ち、彼女は実家暮らしだったので、考え方が変わっていったのかな、とその時思いました。

そんな遠い昔のことも思い出し、自分自身の20年近く前の母の介護経験も思い出し、いろんな思いが交差しています。

そして、たとえ血がつながっていてもつながっていなくても自分の子供でもいい人だと思っていても、人はわからない、それが人間。

という思いに、私はですが行きつきます…。

彼女には、2人でがんばろうとしないで介護サービスを最大限に利用してね、ちょっと踏ん張りどころだけどがんばって、としか言えなかったけど。

3人の生活のサイクルが1日でも早く安定しますように、と遠いフランスで毎日願う今です。

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