今日のパリの最低気温予想は10度、最高気温予想は13度で、お天気は曇りときどき晴れ&雨の予報となっております。
前回の記事で我が街の桜並木の近くに新しく5500㎡の土地に40の市民農園が建設中であることをお伝えしました。
→パリの冬桜&適当な我が街の市民農園建設この帰り道、通りかかったあるお宅のお庭にボケの花が咲き始めていたので、橙色が何とも言えなくて可愛いな、と思って立ち止まって眺めました。
そのお宅は敷地内に2棟の家が建ち、それぞれに長寿カップルと熟年カップルの2世代のご家族で住んでいて、長寿カップルのムッシューはわんこ散歩で前を通るといつも、元気かい?と声をかけてくれる方。
以前から顔見知りの旦那が、ムッシューは確か90歳を超えているはずだよ、と言っていたので。
ゆっくりとした動作だけど庭の片付けをご自分でよくしていたし、階段の上り下りも普通にしていたし、遺伝、性格、食べるモノを含めた生活習慣、環境等、いろんなことがトータルしてのことだろうけどすごいな、と。
50代60代で死ぬ人だって少なくないのに90歳って素晴らしいな、と、両親が早めに亡くなってその最期の姿まで見ていた私は、思っていました。
でも奥さまの方はかなり足腰が弱くなっているようで、付き添いの方と一緒に庭を歩いているのをたまにお見掛けする感じでした。
そんなお宅で、ボケの花に見惚れていたのですが、するとその時突然熟年夫婦のお宅の方の窓が開いて、マダムが顔を出して、何か御用?とキツイ口調で私に言ってきました。
どうやら怪しい人と思われたようでした。
確かにボケの花をいろんな角度から見ていたし、ムッシュ―元気かな、とも思ってムッシューのお宅の様子を見ていたので、怪しい動きだったと思います。
で、花が綺麗なので見ていました、と言うとマダムが。
何言ってるかわからないわ!とまたキツイ口調で言いました。
私がマスクをしていたので聞き取りにくかったようです。
なのでマスクをとって同じことを言いましたがまた、わからないわ、とイラついて言っているので、さすがに私もうんざりして、聞こえやすいように少し近づこうと思って動くと。
すぐ行くからそこにいて!
とほぼ命令口調で言うので仕方なく動かず待っていると、マダムが外に出てきました。
で、はっきりした口調で、花が綺麗なので見ていただけです、私は同じ通りの〇番地に住んでいる者です、と言うと。
ほぼ鬼のような顔つきだったマダムの表情が180度変わってびっくりするほどの笑顔になり、ああそうなのね、私はここに住んで16年よ。
と言いました。
私が、隣りの家のお年を召したムッシューは会うといつもボンジュールと言ってくださるのですが、お元気ですか?と尋ねると。
彼はもうすぐ病院に入るわ、今は家にまだいるけど。
と言うので、私がびっくりして、どこかお悪いのですか、とまた尋ねると。
もう98歳だもの、と。
え、98歳?!…とびっくりしながらも、通りかかるといつも優しく感じ良く気軽にボンジュールと言ってくれたムッシューの姿が浮かんで、何も言えずしばし立ち尽くしているとマダムが。
仕方ないわね、ま、こういうもんよ、とあっけらかんと言いました。
確かにそうだけどすごいあっさり感、こういうとこフランス人あるよな、と過りました。
そして、ただ挨拶するだけの身の私がこれ以上話すのはウザいだけだし、このマダムちょっと恐いな、とも思ったので、じゃあまた、と言ってその場を後にしたのですが、家に向かいながら。
とうとうムッシュー病院に入ってしまうのか。
最後に挨拶したのはいつ頃だったっけかな、去年の終わりぐらいだったような気がするな。
あの時はいつもと変わらなかったけど、年配の人はちょっとどこか調子がおかしくなると全部ガタガタとくるからな。
でもムッシューより体力が落ちていたように見えたマダムは家に残ってるのかな。
もしかしたらムッシューにはもう会えないかもな。
などといろんなことが頭を過ぎりました…。
そして家に帰ってそのことを旦那に話すと、仕方ないね、とひとこと言われました。
しかも建設中の市民農園について、元々は別の場所にあった市民農園が、パリのグランパリ計画(郊外まで拡大するパリ拡張計画)で我が街に新しく通る新メトロのために潰されることになり、その代わりに作られていること。
元々の市民農園は広大だったけど、今作られている農園はそれよりもうんと小さいことを話出しました。
実は建設中の市民農園の前を2人で通った時、旦那が、この農園小さ過ぎるよ、と言ったので私は、40でも家庭菜園をしたい人が出来るならいいじゃない、と言っていたのですが、まさかここに造られる理由がそんなことだったとは…。
で、私には直接的には関係ないと言えば関係ないことだけど、なんだか残念だな、と思った2つの出来事です。
でもムッシューは入院してももしかしたら家に帰ってこれるかもだし、いや~、またあの優しい笑顔を見て、ボンジュール!と言いたいです…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
応援クリックしていただけると励みになります。
にほんブログ村
コメント
コメント一覧 (2)
ムッシューのお宅を見ていただけで
怪しまれるとは、災難ですね。
仮に怪しい人だとして、正直に怪しい用事だと打ち明けるとでも
思っているのでしょうかね?
何か御用とキツく聞いて、本当の事言うわけではないと思います。
本当に怪しい人なら、『すぐ行くからそこにいて!』とまで尋問するような態度なら逃げていきます。
moiさんは動かずに待っていたので、その時点で、怪しい人では無い感じします。
でもすぐ近くの住人と分かったので、警戒心はなくなったようですね。
ムッシューの近況が分かりましたね。
98歳なのは驚きますね。長生きですね。
でも、もうすぐ病院に入るとは残念です。
戻ってこれるといいですよね。
ムッシューより体力が落ちてた足腰の弱い奥さんは、ムッシューが
入院したら、どうするのでしょうね…。
又、ワンコ散歩で会えると心が和みますね。
例の建設中の市民農園は、新メトロの計画のために潰された農園の
代わりに作ろうという事なんですね。
今、作ろうとしてる市民農園は規模が小さいんですね。
規模が小さいのでは、利用できる人数が限られていますね。
以前の市民農園の利用者が、優先的に利用できるんでしょうかね…。
堂々とした体格の年配の女性でこちらは小柄なアジア人なので強気に出たのかもしれません。(そうかな?)
マスクをとって顔を見せ、番地まではっきり言ったら別人のような態度になりました。
ムッシューのことをちょっと他人扱いっぽかったので娘さんではないかもな、と感じました。
98歳にはほんと~にびっくりしました!
もう少しお若そうなマダムの方が1人じゃ歩けないくらい弱弱しいのでまさかムッシューが病院に入るとは。
マダムのところにはよく通いらしい付き添いの人が来ていますが、これから本当に1人となると、お隣に住むご家族がとにかくしょっちゅう見てあげるのかな、と想像しますがどうなのでしょう。
しかもあの強気のちょっと恐いマダム…。
ムッシューはいつも手を振ってくれて優しい表情と姿が忘れられません。
ほんと回復してお家に戻ってきて欲しいです…。
以前の農園がどこにあるのか私は知らないのですが、こちらには来るのが遠い方もいらっしゃるかもしれません。
日本だと優先的に利用出来そうですが、このどフランスなのでどうなのでしょうかね…。