今日のパリの最低気温予想は6度、最高気温予想は16度で、お天気は晴れときどき曇りとなっております。
我が家のブロカント皿の多くは、フランスで知らない人はいないくらい有名な慈善団体「エマウス」のリサイクルショップで見つけたもの。
そのエマウス創設者のアベ・ピエール神父は、自らの資金でホームレス救済のために「エマウス」を創設し、フランスの聖人と崇められ、2007年に94歳で亡くなった時はノートルダム寺院で国葬が営まれたほどでした。
私もたくさんのブロカント食器をあり得ないくらい安い価格で買っているし、エマウスに行くたびにアベ・ピエール神父の写真やら似顔絵を見るので、ありがたいなぁ、なんて思っておりました。
ところが日本でもニュースになっているかと思いますが、そのアベ・ピエール神父が性加害をしていたことが明らかになり、フランス中に衝撃が広がっております。
最初に明らかになったのは、今年7月17日のエマウスの調査報告書の発表によるものでした。
発端はあるフランス人女性が去年6月にエマウスの代表に連絡をとり、1970年代の神父からの性被害を明らかにしたこと。その後エマウスは調査を開始。
そして少なくとも7人の女性に対して神父が胸を触る、ディープキスを無理やりしてくるなどの行為をしていたことがわかりました。
このニュースを知った時はもちろんびっくりしたけど、でも今は以前のことでも告発すればすぐにネットで広がり明らかになる時代。
あの人が?と思う人でも明らかになる時代。
なので、この人もか、と呆れました。
そして先週9月6日金曜日の新たな発表では、もう驚きを通り越して怒りがわきました。
1950年代から何と2007年の死ぬ年まで、50年以上性加害を繰り返していて、現在わかっているだけでも24人。
強姦や子供へのセクハラも含まれているようで、さらに酷いのが、告発をしようと考えた女性に神父は脅迫まがいの手紙まで送っていました。
しかも当時カトリック教会の上司たちは神父のやっていることを知っていて、神父の周辺の人たちに、神父と女性を2人きりにしないように、との指示まで出していたのです。
そして1957年に教会によって神父はスイスの精神科クリニックに入院させられました。
ただし表面上は健康上の理由となっています。
クリニックでは睡眠薬治療が行われたそうです。
それでも病気は治らず、結局裏では94歳まで性加害をやり続け、でも表では聖人と崇められ続け、国葬で送られたという…。
で、現在エマウスは被害者に対しての補償を検討していて、エマウスのすべての組織からアベ・ピエールの名前を削除することも決めました。
この何人もの人たちの告発、調査、そして補償へ、という流れ、去年大問題になって結局消滅した日本の大手芸能事務所とそっくりです…。
日本だけじゃなくフランスだけじゃなく、世界にはいったいどれだけのこういったことをしてきた、または今もしている人がいるのだろう。
そしてそんな人から被害を受けた方々がいったいどれだけいるのだろう。
と何とも言えない気持ちになりました。
私も日本にいた時に痴漢や変質者に遭遇したり、うんと年上の人にホテルに連れ込まれそうになったり、フランスに来ても気持ちの悪いことを言われたりされそうになったことがあるけど。
なぜ男たちは(もちろん皆ではないしもちろん女もいるが)こういうことをするのか。
こちらが嫌がっているのがわからないのか勘違いするのか…。
でも今は、最初の方でも書きましたがほんと声を上げやすくなったしセクハラ、モラハラ、パワハラなども認められるようになったので、人の人生もそして自分の人生もめちゃくちゃにしたくなければ本当にやめて欲しいなくなって欲しい。
それにしてもアベ・ピエール神父、抑えられないくらい女性が大好き、というか、もうほんと病気なのになぜ聖職者になるかな、と理解出来ません。
でも矛盾があるのも人間。
性加害をした後すぐ神さまに、今日もやってしまいました、どうぞお許しください、とでも懺悔していたのでしょうか…。
知っていたのに隠していた教会に対しても、いったい何なんだよおたくらの神と信仰と宗教って、と。
自分無宗教だけど(だから?)、ほんとそう思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
応援クリックしていただけると励みになります。
にほんブログ村
コメント
コメント一覧 (2)
裏ではとんでもない事をしていたとは、残念過ぎます。
性加害をやり続けていたとは…。
わかっている被害者だけでも合計24名いるなら、実際にはもっと被害者がいますね。
ブロカント皿の多くは、有名な慈善団体エマウスのリサイクルショップで
お値打ちに買った物でしたね。
そのたびに創始者のアベ・ピエール神父の写真やら似顔絵を見てありがたく感じてたのに…。
貧乏な人を救う為にエマウスを創設して、
ホームレスの救済も一方では行い、確実に世の中の為になる
素晴らしい行いをしており、世の役にも立ったのも事実ですよね。
悪い事もイイこともやっていたんですね。
この矛盾をどう考えたらいいのか混乱します。
いい事も確実にやっているだけに…。
以前、moiさんの記事で、ろくでもない人が熱心に教会で祈っていた事実もあったという
話もありましたね、確かイタリアの話だったような…??
神父も悪い事をやったあと、懺悔でもしてたんでしょうかね。
教会も知りつつも隠したし精神科クリニックに入院までさせてた事実もあるんですよね。
教会もろくでもないですね。
ここまで酷かったとは私も思いませんでした。
しかも聖職者の身でありながら…。
完全に病気だけれど絶対に許されることではないと思います。たとえ死んでいても。
しばらくエマウスに行っていないのですが、今度行った時は、アベ・ピエールの写真や似顔絵、イラストはすべて取り払われているでしょう。
崇められたり権力を持ったり大物になると、人間は勘違いしやすいな、とよく感じます。
周囲に注意する人がいなくなるような立場は、本人が普通感覚を保ち続けられる性質じゃない限り、勘違いしないことの方が難しいのかもしれません。
人に意見されたり、それは違うのではないか、的なことを言われると面白くなくて、すぐ怒る人、人の意見を聞かない人、常に自分中心な人。
私も日本でもフランスでも周囲の人でもネットを通した人でも、こういう人を何人も見てきたし、会ったこともその人に何かしたわけでもないのに本当に酷い悲しいことを言われたこともありました。
言いつける人がいて、それを鵜呑みにしたんですね。
子供のイジメとまったく同じでした…。
で、突然スターの話になりますが、キアヌ・リーブスはずっと普通感覚を保ち続けてっぽくて、自然で、女性を若さや美貌だけで見ないところが、ほんとイイな、と思います。
そしてそういうところが本当の意味でカッチョイイな、と思います。
私的にはなのですが。うひ。