今日のパリの最低気温は12度、最高気温予想は19度で、お天気は曇りとなっております。
ある日の土曜日、さっきまで庭で隣人さんと楽しそうに談笑していた旦那が急にシリアスな表情で家の中に戻ってきたので、何だろう?と思ったら。
今お向かいの家のJがちょっと話に来て、奥さんのNが木曜日に乳がんで亡くなった、と。
で、あまりにも突然のことで一瞬言葉を失いながらも、すぐ頭を過ぎったことがありました。
実はその1週間くらい前、わんこ散歩から戻ってきた時、10mくらい先にいたNさんを見掛けたのですが、はじめ、あれNさん?いやでも違うかな?と思ったのです。
と言うのも、セミロングの金髪だった髪がベリーベリーショートになっていたのです。
なので、違うかな…と見つめてしまったのです。
でも向こうから、私よ!的に大きく手を振ってくれて、Nさんはそのまま足早に家の中に入っていったんです。
で、家に戻りながら、あんなに髪を短くするっていうのは何か強いお薬とかのせいかな、と過ったんですよね…。
でもただの想像だし、Nさんが美容師さんなこともありただ短くしたかっただけかもしれないし、と思い直し、それでも、センシティヴなことかもしれないので、私が誰かに言うのはよくない、と思い、誰かはもちろん旦那にも言わなかったのです。
そんなことがあっての、この悲しい知らせでした。
お向かいさんではあるけど、1ヶ月に2、3度見掛けたり挨拶をするだけだったし、お向かいさんでもご近所さんでもその家のことは何も知らないので、それぞれのご家庭の事情では突然ではないのかもだけど、それでも我が家にとってはあまりにも突然の知らせでした。
まだ55歳だったとのことでした…。
JさんとNさんご夫婦はポルトガル系で、ポルトガル系の多くはクリスチャンなので、お葬式は週明けの月曜日、近くの教会とのこと。
で、旦那と、行きましょう、という話をしました。
お葬式までの間、Nさんのことがしょっちゅう過りました。
通りを歩いていたり運転していたりする姿や、たまに大きな窓の前の庭のテーブルで飲み物片手に過ごしていた姿。
そして一昨年の春だったか夏だったか、旦那と私が外出する際、ちょうどNさんが庭で赤ちゃんを抱っこしていたので、旦那が、もしかしてお孫さん?と尋ねると。
そうなのよ。この子が生まれて私の人生すっかり変わったわ!
と赤ちゃんを愛おしげに見つめながらあやしながら言っていたんですよね。
その幸せそうな表情、抱き姿が何度も過って、何とも言えない気持ちになりました。
そして月曜日、お葬式が行われる教会に旦那と行ったのですが、思った以上に大勢の人たちが集まっていたし、印象的だったのがアラブ系の男性やヒジャブ(イスラム女性が髪を覆い隠すもの)を被った女性、さらにはアバヤやチャドル(イスラム女性が全身を隠すために身に着けるゆったりとしたもの)まで着た女性がかなりいたこと。
移民の多いここフランスでヒジャブを被った女性は多いけど、ヒジャブはもちろんアバヤやチャドルまで身に着けた女性はかなり敬虔なムスリム(イスラム教徒)のイメージなんです。
なのでこのお葬式がフランスで6度目で、教会でのお葬式が5度めで、2人3人くらいはアラブ系の人を見掛けたことがあったけど、これほど多いのは、そして敬虔なイスラム教徒が多い教会でのお葬式というのはこれが初めてだったんです。
でも移民の多いこの街で長い間美容師さんのお仕事をなさっていたNさんなので、知り合いが多いのだろうな、と思ったのですよね。
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コメント
コメント一覧 (2)
Nさんの美容師としての長いキャリアが、多くの人々とのつながりを生み、宗教や文化の垣根を超えて幅広い交友関係を築かれていたのですね。その証として、教会の葬儀に集まった多様な人々の姿がとても印象的です。
1週間前にNさんの髪がセミロングからベリーショートになっていた事が気になりつつも、センシティブな問題もかもしれず旦那さんにも言えずにいた中で、この知らせを受け取る事になったのは、切なく胸が詰まりますね。
Nさん人生の大きな変化を迎えていた事を、薄々察していたけど、こうした形で知る事になるのは悲しいですね。乳がんでしたか…。
まだ55歳という若さで旅立たれたのですね…。ご家族や友人たちにとって、突然のこととはいえ、きっと長い闘病を支えてきた時間があったのでしょう。特に、お孫さんの誕生が彼女の人生を大きく変えたと語っていた姿はとても印象的で、幸せそうな表情が忘れられませんね✨
お葬式で大勢の人がいて色んな人種が混じっていた光景が、Nさんの人柄や生き方を物語っているようで、改めて彼女の温かい性格が伺えます。長い間美容師さんのお仕事をて、色んな人から慕われてたんですね。
人生の終わりを迎える場面に立ち会うことは、悲しみとともに、その人の生き方を振り返る時間でもありますね。
Nさんは早く亡くなった事は哀しいけど、大勢の人に見送られて慕われていた事は幸せでしたよね…。
Nさんとの思い出が、周りの人々の心の中でこれからも輝き続けたら…いいですね。
とにかくびっくりしました。
しかも1週間くらい前に見掛けていたので。
あの時、誰だかわからなくて見つめた私に、ほんとは手を振る力ももうあまりなかったのかもですが、しっかりと手を振り、たったか足早に家に入っていったのですよね。
亡くなるほんの少し前なので。身体も心も相当きつかったのかな、と思い、切なくなります…。
お孫さんを庭で抱きかかえていた時は、もう幸せが身体全身から溢れていました。
日本の祖父さん祖母さんたちも孫が可愛くてしかたない方がとても多いですが、フランスもまったく同じだな、と思ったんですよね。
これまでの5回のお葬式、それぞれ心に残っているのですが、今回もとても強く印象に残りました。
カトリックの教会にあんなにたくさんのヒジャブとアバヤの女性たちの姿があるのはなかなか多くない光景かと思います。
それにしても55歳って若過ぎます。
でも、誰もがいつ死ぬかわかりません。
明日、2、3ヶ月後、半年後、1年後…。
なので今生きてる幸せをかみしめ、家族が元気なことに感謝し、最低限、人様に迷惑をかけない、ということを気をつけ、生きていけたら良いです。