今日のパリの最低気温は17度、最高気温予想は30度で、お天気は晴れとなっております。
フランスに来て17年め。
今は郊外住まいですが、フランスに来てパリ市内に住んだ当初は、日本ではなかった経験も含め良い意味でも悪い意味でも何もかもが新鮮で、毎日が驚きの連続でした。
ここはパリの高級住宅街16区。
エッフェル塔そばのトロカデロ広場から近いカルティエで、当時通った語学学校の別館のすぐそばだったこの花屋さんは、別館に行く目印だったし、雨宿りもした場所。
17年前のパリの雨は小雨がほとんどで、傘を持っていなくてもちょっとどこかで雨宿りしただけで結構すんだのですよね。
でも、急速に温暖化が進んだ今はパリも1日中雨降り日というのがぐぐんと増え、フランス全土でしょっちゅう豪雨、長雨による洪水被害が起こっております。
小雨が降ってきたらそのへんのお店の軒先で雨宿り、な~んてことはもう昔々の話。
同じ通りにあるこじんまりとしたパン屋さん。
でもお高いです。
チュニジアスタイルのバゲットサンドの小が6、90ユーロ、大9、90ユーロ。
大と言っても他のお店の普通サイズと変わりません。
ツナのサンドイッチは持ち帰りは8、50ユーロ、店内で食べると9、50ユーロ。
キッシュは一切れ9、90ユーロで、サンドイッチとキッシュ、それぞれデザートと飲み物のセットにすると14、90ユーロ。
テイクアウトも含めただでさえ高いパリの外食ですが、ここはさらに2倍近いお値段。
さすが高級住宅街16区。
そんなカルティエの一角にあるのがこのフランス系スーパー「ジー・ヴァン(G20)」。
でも17年前はフランス系スーパー「リーダープライス(Leader Price)」だったんです。
その「リーダープライス」が酷いの何のってねぇ。
店内はいつでも商品がぐっちゃぐちゃで、青果売り場なんて腐ったものがたくさん混じっていて、それらをお店の人が片付ける様子も微塵もなく、とにかくめちゃくちゃだったんです。
しかも、このフォトの右横辺り、お店の前でいつも何人かのホームレスがたむろしていて、今でも忘れられない出来事があります。
ある時、買い物して出て来たら、男性ホームレスの1人が近づいてきてまっすぐ私を見つめ、金くれ、と左手を出してきたのですが。
そのホームレスの瞳がアクアマリンのように澄んだブルーで、あまりにも綺麗なので一瞬見入ったのですが、すぐその後、出した左腕に注射針の痕がたくさんあるのが見えたのです。
で、彼の綺麗なブルーの瞳と左腕の注射針の痕という対比が何とも独特で怖ろしくて、後ずさりしながら去った?逃げた?経験があるのですよね。
私の中では17年経った今でも、この2つがセットの1つの光景として今でも強烈に思い出されるのです。
でもじゃあなぜそんなお店に行っていたかというと、安かったからです。
腐ったものをよければまともな商品もあったし、語学学校へ行く途中だったので便利でもあったし、節約学生生活だったのでとにかく安いことが大事だったんです。
そんな安いけど酷く怖い店舗が「ジー・ヴァン」になったのは10年以上前。
以来すっかり雰囲気が変わり商品もきちんとしたものが売られ、ホームレスたちの姿も消えました。
そして結局リーダープライス自体2020年にほとんどの店舗を世界中で躍進が止まらないドイツ系スーパー「アルディ(Aldi)」に売却したので、現在多くの元リーダープライスがアルディになっております。
それにしてもなぜこの高級住宅街の一角だけがあの雰囲気だったのかな、と。
もちろんお安いリーダープライスだったことが大きいとは思いますが、この立地ならもっと早くに別スーパーになっていても良かったと思うのですけどね。
そんな思い出があるこのカルティエ。
今は当時通った語学学校は別館も含めすべて移転し、たくさんのお店も別のお店に変わりました。
でも雨宿り花屋さんと何軒かのカフェやレストランはそのままで、パリは(も)店舗の移り変わりが激しいけど、この辺はそれほどには変わっていないので来るたびに懐かしく感じております。
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コメント
コメント一覧 (8)
でも今は温暖化も進み、雨がスゴイし洪水もキツイんですね。
16区という場所は、サンドイッチ🥪もお高いですね・・・(^^;
6、90ユーロ⇒1,150円
9、90ユーロ⇒1,650円
セットメニューのようなお値段に声が出なくなりそう・・・ショックで固まっちゃいます…😲
セットにすると14、90ユーロ⇒2484円😨
高級住宅街だけのことはありますね・・・(*´Д`)
16区という高級住宅街のなかに、かつて存在した異質なスーパーのリーダープライスの様子が今も印象的なんですね。17年前のパリでのお買い物、語学学校の通学路、軒先で雨宿りした日々…その頃の生活風景が懐かしいですね💐
そのスーパーは、商品は陳列を整える事もせず、果物売り場は腐った物も混じっているなんてヤバイですね・・・💦
スーパーを出た所で会ったホームレスの男性の蒼く澄んだ瞳と、腕に刻まれた注射痕の対比には驚きます。瞳の美しさ魅入られる一方で腕の注射の怖さには戸惑いますね。
それでも、その場所に通っていた理由が「生活のため、節約のため」だったという現実味に思わずうなずいてしまいました。慣れない異国の地で、自分の暮らしを守るために少しでも安く、便利な店に行ってたんですね。
今は「ジー・ヴァン」に変わり、又、当時と変わらないお花屋さんやカフェがあることで、過去と今が繋がりますね…。時代とともに街が変わっていくのは寂しさもありますが、残ってくれている景色があると懐かしくホッとしますよね🍀✨
リーダープライス自体は、丁度コロナの時期にあるディにスーパーを売却したんですね。
不衛生だったりして、コロナ禍は人々が去ったのが原因でしょうか?
90ユーロではなく9ユーロでは?
ここ数年でパリの、フランスの天候はほんとに変わりました。
(他のヨーロッパ諸国も同様ですが)
夏の湿気も昔よりはかなり出てきたように感じます。
私もここのパン屋さんのサンドイッチのお値段を見てちょっとびっくりしました。
ここまでお高いのも珍しいかもです。
はい、ほんとヤバいスーパーでした。
他のリーダープライスも行っていたけど、この店舗は特に酷くて、まだフランスに来たばかりだったので日本とフランスのスーパーがあまりにも違うので結構衝撃でした。
でも今はさすがにこういったお店がフランスでも通じなくなっているように感じます。
そうなんです!
残っていてくれるのは嬉しいです♪
パリは建物自体が壊され建て替えられることがそんなに多くないので、そのおかげもあるかなと思います。
リーダープライスはどこの店舗も安いけど決して良かった、とは言えないので時代も考えると売却は必然のことだったかな、と思います。
同じ時期にあのカルティエにいたのですね。親近感。
あのリーダープライス、かなりスペシャルでしたよね。
はい、今はジー・ヴァンになって、リーダープライスの面影は1つも残っていませんし、あの通りを抜けて出る大通りのベンチにいた飲んだくれホームレスさんもいなくなりました。
でも他のカルティエに比べると変化は緩やかな方かな、と感じます。
ご指摘の件ですが、見返してみたのですが、90ユーロと書いているところが自分では見つけられません。
それにもし間違って90ユーロと書いてあったとしても、とにかく、2倍のお値段と書いているので、間違って書いたのだな、とすぐわかると思います。
間違いは誰にでもあります。
私はしょっちゅう間違えるドジな人間です。
なので人の間違いをつつくなんてことはしません。哀しいことですから。
ってか間違えない人っているのでしょうかね…。
間違ってるな、2倍だな、と大らかに流していただけるとありがたいです。
2011-2015年にパリ駐在し、このエリアで暮らしていました。最初の3年間はリーダープライスの隣のアパルトマン(T字路の交差点)の3階に暮らしていましたが、仰る通りこのエリアでは珍しく、何故かいつもリーダープライスの前に浮浪者がたむろしていたので、妻&子供達が嫌がっていました。ある時、古びたベッドのマットレスを粗大ゴミとしてアパルトマンの前に捨てたら、そのマットは暫く浮浪者の寝床と化していました(;O;)リーダープライスの店内の有り様も酷かったですよね。此処で買う事は殆どなく、普段は直ぐ傍のCasino、Monoprix、マルシェで買物していました。
写真のパン屋、花屋さんも記憶にあり、思わずGoogle Mapで確認してしまいました。今夏にパリに遊びに行くつもりで、この近所のAirbnbを手配したので楽しみです!
ここを、あの雰囲気をご存知の方からいただくコメント、同じ思い出を持っていることもあり、とても嬉しいです。
まさかのあのリーダープライスの隣のアパルトマンとは!
あの辺りはゆったりして騒々しくなく落ち着く立地ですが、あのリーダープライスだけ異質でしたね…。
ご自分が出した粗大ゴミがホームレスの寝床には苦笑いですが、そっか、彼らは夜もあの辺で寝ていたのですね。
花屋さんとパン屋さんのあるあの通りはそれほどには変わっていないので、懐かしく思い出されることと思います。
素敵な想い出巡り旅になりますように。