今日のパリの最低気温は17度、最高気温予想は30度で、お天気は晴れとなっております。
今、毎週水曜日にフランスのテレビ局のM6で放送されているのが「トップ・シェフ(TOP CHEF)」。
料理人さんたちが競いあうコンペティション番組でして、私は放送が始まった2010年から毎年欠かさず観ておりまして、今回で16回め。
今年は3月から放送が始まり、今週は準決勝が放送されました。
そしてその準決勝を勝ち抜き最後まで残ったのは、ノルマンディーのカーン出身で24歳のシャーリーと、リヨン出身で25歳のクォンタンのギャルソン2人。
シャーリーの料理は大胆でアイディアに溢れ、最初からちょっと飛び抜けていて、毎回ダントツで1番に勝ち抜けておりました。
何と14歳から料理の道に入ったというクォンタンの料理は、派手さ抑えめでミニマムでありながらも丁寧に作られていて、圧倒的強さを見せていたシャーリーの次はというと、やはりクォンタンかな、と感じておりました。
たぶん多くの視聴者の方々も同じように感じていたのではと思います。
で、2人が勝ち抜けた準決勝のテーマの1つが、ブイヨンや香辛料などを一切使わずに「トロンプ・パレ(trompe palais)」を作るというものでした。
トロンプ・パレとは、たとえばお肉料理のような見ためとお味で実は肉を使っていないなど、見ためと味で欺く1品のこと。
で、このテーマが発表された時、私的にとても印象に残ったことがありまして、それは司会者のステファン・ローテンバーグが「ブイヨンはもちろん、ソース・ソジャ(sauce soja:醤油)も使えませんからね!」と言ったことなんです。
このフランスで数ある香辛料やスパイスの中でフランス料理のコンペティション番組の中で、ブイヨンと並べて、醤油も使っちゃだめですから!ってわざわざ言うって…醤油すんごいな~、と思ったわけです。
日本人の私は知っておりますよ、煮物、焼き物、和え物、ステーキ、ハンバーグ、ドレッシング、目玉焼き、ごはん等、いろんなものに醤油がめっちゃ力を発揮することを。
でもフランス人シェフさんたちも今もうそれを十分知っているし、活用しているんですね~。
なのでトロンプ・パレ以外のテーマの時は、シャーリー、クォンタン、準決勝で負けてしまったグレゴワールなどTOP CHEF出場者の方々皆さん、ソース・ソジャはもちのろんのこと、世界各国の調味料と共にミゾ(miso:味噌)、コメズ(komezu:米酢)、ワザビ(wasabi:山葵)、カツオブシ(katsuobusi:かつお節)、コンブ(konbu:昆布)なども使って、オリジナリティ溢れる素晴らしい1皿を作ってらっしゃいました。
そんなTOP CHEF、放送が始まって16年めになりますが出場者の中から、ミシュランの星を獲得したりテレビに登場して人気者になったりするシェフさんたちが続々と出ております。
去年から審査員になった2ッ星レストランのシェフのステファニー・ル・ケレックは2011年の優勝者。
その年のポルト・ド・ヴェルサイユで開催された食フェアに行ったらステファニーさんもいらっしゃったのですが、余計な愛想を振りまかず常に落ち着いていて、TVと変わらない雰囲気だったのをよく覚えております。
そしたら、去年のTOP CHEF出場料理人さんが、ステファニーはTVもTVじゃない時も態度がまったく変わらない人と言っていて、昔見かけて感じたのと同じなんだな、と嬉しく思いました。
でも2012年の優勝者で、2022年にアラン・デュカスの後を引き継いでパラスホテルのプラザ・アテネの厨房責任者になったジャン・アンベールは、2025年4月に元パートナーたちから家庭内暴力で告発されております。
ジャンさんのドレッサージュ、素晴らしく美しいんですけどねぇ、女性に暴力は本当だったら残念です…。
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コメント
コメント一覧 (2)
送が始まった2010年から毎年欠かさず観ているんですね(*’ω’*)
シャーリー氏とクォンタン氏の対決🔥、どちらも若くして圧倒的な実力と個性を持っていて、まさに才能のぶつかり合いですね!大胆さがウリのシャーリー氏と・・・派手さは抑えめで仕事が丁寧なクォンタン氏。正反対だけど、魅力あります。
特にブイヨンや香辛料などを一切使わずに作らないといけない「トロンプ・パレ」で、ブイヨンと並んで「醤油禁止」と明言された事は、ビックリ!思わず「醤油の地位もそこまで来たか!」と思い感動しますね!
フランスのトップ・シェフたちの間で、醤油が「旨味の素」として認識されている証ですよね。味噌や米酢、かつお節、昆布まで登場しているのも、日本の調味料が一流シェフの世界の旨味の秘訣になっている事が分かり、なんだか日本人として誇らしい気持ちになります🗾
去年、醤油を買いに醸造所に行ったら、外国人の人もいました。醤油屋さんは言葉が分からず困惑してましたけど、醤油は今や人気で嬉しくなります。
醤油の国際的地位爆上がりです☆彡
そして、2011年の優勝者のステファニー・ル・ケレックさんのエピソードも素敵です。
TVでも現場でも変わらない姿勢って、プロとしての芯の強さを感じますし、moiさんが当時感じた印象と一致していたというのも、なんだか嬉しいですね✨裏表のない人ですね。
一方で、ジャン・アンベール氏の件は…料理の美しさと人としての在り方は別物だと、改めて考えさせられますね。
16年続いているトップ・シェフを最初から見て、いい料理の研究をしているから、どんどん料理のレパートリーが充実しているんですね・・・(*^_^*)
料理番組がとにかく好きなのですが、特に1年に1シーズン放送のトップ・シェフが毎年の楽しみになって16年めです。
だいたいの出場者を覚えているので、料理番組で見覚えのある方が出てくると、あ、トップシェフに出た人だ!と嬉しくなります。
今年の決勝は若い2人で、特別審査員に招かれた有名シェフも、若い世代になってますね、と仰っておりました。
シャーリーはお祖父ちゃん子でクォンタンはお祖母ちゃん子で、それもまた微笑ましいんです。
司会のステファンさんもご自分でレストランを経営しているので、醤油のうまみがどれだけ料理に重宝するかご存知なのだろうと思います。
基本のブイヨンと並んで明言されたことは、醤油ちゃんほんとすんごいことです!
醤油も日本の洋食やラーメンや餃子やカレーなど日本で日本の味になった料理も日本料理もますます世界で広まっていくことでしょう♪
ステファニーさんと、あとピエール・ガニェールさんもTVでもTVじゃない時も変わらないとやはり出場した方が仰っておりました。
去年から審査員のステファニーさんは、おそらくそれが高感度につながっているし存在感もあって、これからしばらく審査員をなさるのだろうと思います。
最初から観ていることが大きくて思い入れがちょっとあるんですよね。
トップシェフの方々のお料理はすごすぎてマネはまったく不可能なのですが、材料の合わせ方とかが少しだけ参考になります。
それもまた楽しいんです♪