パリ庶民のリアルな日常と暮らし情報、料理をご紹介していたmoiですが2025年12月に南ブルターニュに引っ越ししました。

ちょっとだけおしゃれしていつも付けるマスクなしで旦那と街のセントラルのバーで一杯した数日前の帰り道、向こうから男性が1人で歩いて来るのが見えたのですが、遠くからでもホームレスであることがすぐわかりました。

伸びた髪がぼさぼさなだけじゃなく絡まって若干固まっていたし、髭も顔が半分隠れるくらいぼうぼうだし、穿いているズボンは汚れていてしかも片っぽだけふくらはぎのあたりまで折り曲げられているけど片っぽは下までずるっと落ちていて、その足も汚れていました。

でも歩く足取りがゆったりしていてどこか楽しげな表情だったので、逆に不気味に感じ、旦那と私は何も言い合わなくてもちょっと気をつけなければと思い、2人してごく普通にすれ違うことを意識しました。

ですが、すれ違う際その男性が私を見て軽く笑みを浮かべながら「今日はマスクしてないね」と一言言って通り過ぎたのです。

で、え?…と思い、2、3歩歩いて気づいたのです、彼が誰だかを。

それまでに見かけた(会った)のは4度で、1度めは2、3ヶ月くらい前、いつも通り日焼け防止のマスクをつけわんこ散歩していた時で、いつも通るパン屋さんの前でした。

彼は石段に座っていてこちらに背を向け缶ジュースを飲んでいたのですが、髪はすっきり短髪でTシャツと短パンのごくごく普通の服装で、特に気にも留めず彼の前をわんこと通りかかりました。

すると彼が日焼けした顔をこちらに向け爽やかな笑顔で「ボンジュール!」と言ってくれたので、私ももちろん笑顔で「ボンジュール!」と返し、彼の前を通り過ぎたのですが、その時ちょっと印象に残ったことがありました。

というのは、その笑顔とボンジュールが何だか若干慣れ慣れしい感じだったのと、彼が、渡仏してすぐ行ったパリの語学学校のメキシコ人のクラスメートによく似ていたからです。

そのクラスメートは他のクラスの女の子たち(特にアジア系)に、カッコいい!と噂されていたくらいの、ダークカラーの瞳と髪色&浅黒い肌のなかなかのラテン系イケメンでした。

私は授業で彼と組むことが多かったので話しをしたし、顔はもちろん親しみやすい笑顔もよく見ていたので、その笑顔と石段に座っていた彼が私に向けた笑顔が、似ていることもあり重なったのです。

ただそのクラスメートはその頃確か20代後半だったと記憶しているので、ということは今もう40代半ば、そして缶ジュースの彼の方が今おそらく20代くらいかなと思うので、同一人物ということはないはずなんです。

で、2度めはその翌日なのですが、そのパン屋さんの前を散歩で通った時また彼がいて、また笑顔で「ボンジュール!」と言ってきたのです。

なので私もまた「ボンジュール!」と返したら、今度はその後すぐ「小銭頂戴」と手を出してきたのです。

それで、馴れ馴れしく感じた笑顔の理由がわかり、持ってないです、と答えて足早に通り過ぎたのです。

3度めはその1、2週間後。

曇り日でマスクをしないで1人で園芸ショップに向かっていた時で、通りの向こうから彼がまたゆったりした足取りで歩いてきたので、また小銭頂戴言われるかな、いやだな、と思いながらもごく普通にすれ違うことを意識したら。

すれ違う際、彼が私を見て軽く笑みを浮かべながら「マスクしない方がいいよ」と一言言って通り過ぎたのです。

で、え!?まさかのマスク話!?と思いながら、でも人通りがなかったのでやはりちょっと不気味で、足早にショップに向かいました。

そして4度めはさらにその1、2週間後。

今度は旦那と行ったスーパーマーケットで、すぐ近くにおトイレがあるレジの前にいたら、少し髪と髭が伸び服も薄汚れてきている彼がお店のスタッフにおトイレに通され、数分して出てきてスーパーを出ていきました。

どうやらおトイレを借りたようでした。

で、私たちが会計を終えスーパーの外に出ると、彼がスーパーの前に座って、通る人たちに「小銭頂戴」と言っていました。

それで彼はホームレスなんだとわかったのです。

それから2、3週間経っての5度めが、髪ぼさぼさ髭ぼうぼうの男性(彼)からの「今日はマスクしてないね」だったというわけなんです。

初めて見かけた時とあまりにも変わり過ぎているのでびっくりだったのですが、でも男性は髭が生えますからね。

顔の半分が髭で見えなくてさらに髪も伸びていると、やっぱり誰かわからなくなることはあるだろうと思います。

と思っていたら、昨日の朝散歩に行ってまた彼を見かけたのです。

セントラルの広場で彼が椅子に座ってパンを食べていたのですが、すっきり短髪になっていて髭もなくなっていて、服も小綺麗になって、元のイケメンに戻っていたのです。

どうやらどこかで髪切って髭剃って服も洗ったか替えた模様。

しかも食べ終わったら、立ち上がって丁寧に服に落ちたパンくずを払っていました。

綺麗にしたばかりだから気をつけているのかな。

で、そっちの方がずっといいですよ私のマスクなんて話にならないですよ、と遠くから見つめながら思い、通り過ぎた次第です。

ということで今日まで結局計6回彼を見かけたのですが。

イケメンでさらりとプチ褒めしてホームレスでも悲観的な雰囲気はまったくなく楽しげに見える時さえあって、それらを考えると人間関係そううまくやれないこともなさそうな感じだし、なんか仕事ありそうな気もするんですけどね。

まあそう簡単じゃないかな。私何も知らないですしね。

それにホームレスというだけで、人生いろいろあったんだろうな、とか、順応できなかったのかもな、とか思ってしまいがちだけど。

中には、つまらないプライドや見栄に振り回されず人目を気にせずどう思われるかも気にせず、社会や職場の煩わしさも息苦しさも関係なく、これでいいや、こっちの方がいいや、と思っている人もいるかもな、とちょっと思ったのです。

だって人間社会も人間もほんと~~に面倒臭いですし、そんなしょうもないことどうでもええわ、と思うこともしょっちゅうですしね。

っつうか、まさかほんとにあのメキシコ人クラスメートだったりして…。

いやいやここパリじゃなくてブルターニュだしどう考えてもないないないない。

んが、ほんとかなり似てるし、思い出したけど、メキシコ人クラスメート、男子たちで飲みに行った時、皆がお金ないない言うから自分もお金ないのに全部払った話、聞いたことがあるんですよね。

いやほんとないと思うけど、もしまた会って聞けそうだったら名前だけ聞いてみようかな、一応。

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